★従来、熱への弱さが問題とされてきた高分子材料の耐熱性向上への取り組みを成書化!
★今後ますます要求が過酷になるであろう耐熱化技術について、用途別に大学・研究機関・企業の取り組みをご紹介!
★高分子材料の実用において避けられない熱問題の解決策を俯瞰する一冊!

耐熱性高分子材料の最新技術動向
Trend in Leading-Edge Technologies on Heat-Resistant Polymer Materials

商品概要
個数

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略称
耐熱性高分子材料
商品No
bk7680
発刊日
2018年08月22日(水)
ISBN
978-4-7813-1343-6
体裁
B5判、248ページ
価格
83,600円 (本体価格:76,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)シーエムシー出版
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:[email protected] 問い合わせフォーム
監修
大山俊幸
著者
大山俊幸  横浜国立大学
有田和郎  DIC㈱
大塚恵子  (地独)大阪産業技術研究所
中建介   京都工芸繊維大学
前山勝也  山形大学
高田健司  北陸先端科学技術大学院大学
金子達雄  北陸先端科学技術大学院大学
荘司優   東レ㈱
富川真佐夫  東レ㈱
鈴木弘世  ㈱ダイセル
原田美由紀  関西大学
西田裕文  金沢工業大学
上利泰幸  (地独)大阪産業技術研究所
村上隆俊  ユニチカ㈱
長谷川匡俊  東邦大学
後藤幸平  後藤技術事務所
古国府明  日本ゼオン㈱
高橋昭雄  横浜国立大学
池田良成  富士電機㈱
松尾誠   住友ベークライト㈱
石井利昭  ㈱日立製作所
三村研史  三菱電機㈱
米村直己  デンカ㈱
山際正憲  日産自動車㈱
発刊にあたって
有機高分子材料は他の主要材料である金属材料や無機材料と比較して本質的に耐熱性に劣るが,それ故に高耐熱化が強く要求される材料である。高耐熱性の熱可塑性高分子としては,剛直な主鎖と強い分子鎖間相互作用をベースとしたエンジニアリングプラスチック(エンプラ)があり,ポリカーボネートをはじめとする汎用エンプラやポリイミドに代表されるスーパーエンプラが知られている。また,エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂では,化学架橋に基づいた高耐熱化が実現されている。しかし近年,高分子材料の利用範囲が航空・宇宙材料や電子材料等において大きく拡がるとともに,既存の応用分野においても高分子材料への要求性能が高まっており,耐熱性をはじめとする諸物性のさらなる向上が強く求められるようになっている。
このような要求に対する耐熱性高分子の開発動向に関しては,2011年4月に高橋昭雄教授(横浜国立大学)の監修のもと,シーエムシー出版より『高機能デバイス用耐熱性高分子材料の最新技術』が書籍化されている。しかし,この分野の進展は非常に速く,様々な耐熱性高分子材料が新たに開発されている。よって,それらの新材料を可能な限り幅広く紹介することを目的とし,この分野の第一線で活躍されている先生方にご執筆をいただくことにより,このたび本書を発刊することとなった。
第1章では代表的な熱硬化性樹脂の一つであるエポキシ樹脂および高耐熱性樹脂として近年注目されているビスマレイミド樹脂の高耐熱化に向けた材料設計をご紹介いただくとともに,熱可塑性の耐熱性高分子である芳香族ポリケトンについてご執筆いただいた。また,有機材料と無機材料の両方の利点を併せ持つ有機-無機ハイブリッド材料およびケイ素系骨格を用いた高温耐久性樹脂についても紹介をいただいた。さらに,低炭素社会の実現に向けて今後の利用拡大が期待されるバイオマス由来の高性能プラスチックについて解説をいただいた。第2章では,電子機器・部品等に応用できる耐熱性高分子材料についてまとめており,感光性エンプラの開発動向や液晶性エポキシ樹脂,高放熱性高分子材料,耐熱性芳香族ポリエステルについてご紹介いただいた。また,光学部材への応用に関しては,高性能の透明ポリイミドの分子設計について解説いただくとともに,具体的な応用分野であるLED用エポキシ封止材,フレキシブルディスプレイ基板,および高耐熱光学レンズ用樹脂についてご執筆いただいた。第3章では,自動車や電車,家電,産業機器等に用いられ省エネルギー化に向けたキーデバイスとして重要となっているパワーデバイス用の耐熱性材料について解説をいただいた。パワーデバイスでは数百アンペアに達する大電流が流れるため,封止材料や基板材料として使用される高分子材料にも高い耐熱性や熱伝導性,放熱性等が必要とされる。また,パワーデバイスは車両等の動力性能をコントロールする重要な部品であるため,高い信頼性も必要とされる。本章ではパワーモジュールの設計から高分子材料の開発動向,信頼性評価まで幅広くご執筆いただいた。
本書は,上記の多様な分野における耐熱性高分子材料の最新の技術動向について俯瞰できる充実した内容となっているが,これもひとえにご多忙な中にもかかわらずご執筆を快諾くださり,貴重な原稿をお寄せいただいた先生方のおかげであり,厚く御礼申し上げる次第である。本書が耐熱性高分子材料の研究者・技術者,および耐熱性高分子材料の知識を必要とされている方々にとっての一助となることを期待している。
(大山俊幸「はじめに」)
書籍の内容
第1章 総論 
1 高耐熱性エポキシ樹脂の分子設計と開発事例
1.1 はじめに 
1.2 目的 
1.3 エポキシ基濃度・エポキシ基数と諸特性の関係 
1.3.1 ガラス転移温度 
1.3.2 吸湿率
1.3.3 誘電率 
1.3.4 誘電正接 
1.3.5 熱膨張率 
1.4 構造と化学的耐熱性の関係 
1.5 高耐熱性特殊エポキシ樹脂の開発事例 
1.6 まとめ 
2 ビスマレイミド系高耐熱樹脂の材料設計 
2.1 はじめに 
2.2 マレイミド変性エポキシ樹脂 
2.3 エポキシ変性ビスマレイミド樹脂 
2.4 チオール変性ビスマレイミド樹脂 
2.5 ポリロタキサン変性ビスマレイミド樹脂 
2.6 おわりに 
3 有機-無機ナノハイブリッドによる高耐熱性材料 
3.1 はじめに 
3.2 ナノハイブリッド化による高耐熱性発現の原理 
3.3 シリカナノハイブリッド 
3.4 シルセスキオキサンを用いた有機-無機ナノハイブリッド 
3.5 かご型シルセスキオキサンを用いたハイブリッド 
3.6 元素ブロック高分子材料へ
3.7 さいごに 
4 芳香族ポリエーテルケトン系耐熱素材の開発 
4.1 はじめに 
4.2 芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)の製造方法と用途
4.2.1 PEEK 
4.2.2 PEK
4.2.3 PEKK 
4.2.4 他の芳香族ポリケトン 
4.3 溶剤可溶性を有する芳香族ポリケトンの開発 
4.4 水溶性芳香族ポリケトンの開発 
4.5 耐熱透明材料への展開 
4.6 おわりに 
5 アミノ酸をベースとした高耐熱・高強度・高透明性バイオプラスチックの開発 
5.1 はじめに―高性能バイオプラスチック― 
5.2 バイオスーパーエンプラの原料モノマー設計 
5.3 高性能な芳香族バイオポリイミドの合成 
5.4 高透明性と優れた材料特性を有した芳香族バイオポリアミドの合成 
5.5 高い透明性と柔軟性を有した芳香族バイオポリウレアの合成 
5.6 アミノ酸由来ポリベンゾオキサゾール共重合体の開発 
5.7 おわりに―今後の展望― 

第2章 電子機器・部品・光学部材 
1 感光性ポリイミドの展開と将来動向 
1.1 はじめに 
1.2 電子材料への展開 
1.3 ディスプレイ分野への展開 
1.4 イメージセンサーへの展開 
1.5 最後に 
2 反応現像型感光性エンジニアリングプラスチック 
2.1 はじめに 
2.2 RDPによるポジ型微細パターン形成 
2.3 RDPによるネガ型微細パターン形成 
2.4 RDPによるエンプラ-無機ハイブリッド微細パターンの形成 
2.5 おわりに 
3 LEDエポキシ樹脂封止材の開発動向 
3.1 はじめに 
3.2 LED封止材の要求特性 
3.3 LED封止材の変遷 
3.4 脂環式エポキシ樹脂の取り組み 
3.5 エポキシ樹脂封止材の高機能化の取り組みと性能評価 
3.6 その他のLEDデバイス材料 
3.7 おわりに 
4 液晶性エポキシ樹脂 
4.1 はじめに 
4.2 メソゲン骨格を有する液晶性エポキシ樹脂の耐熱性 
4.3 おわりに 
5 ケイ素系骨格からなる高温耐久性樹脂と高架橋密度エポキシ樹脂 
5.1 はじめに 
5.2 分子設計 
5.2.1 主骨格の設計 
5.2.2 架橋点の設計 
5.2.3 架橋反応の選択
5.3 実験 
5.4 結果と考察 
5.5 今後の課題 
5.6 おわりに 
6 高熱伝導性高分子材料 
6.1 高熱伝導性高分子材料への期待 
6.2 高分子自身の高熱伝導化 
6.3 高分子材料の複合化による熱伝導率の向上 
6.3.1 影響因子を踏まえた高熱伝導化方法 
6.3.2 従来から行われている工夫 
6.3.3 最近開発された工夫 
6.4 応用分野と将来展望 
7 耐熱性ポリアリレート樹脂の開発動向 
7.1 はじめに 7.2 Uポリマーについて 
7.2.1 特性 
7.2.2 採用実績 
7.2.3 高耐熱グレードTシリーズ
7.3 ユニファイナーMシリーズについて 
7.3.1 グレードと特性 
7.3.2 ユニファイナーフィルム 
7.3.3 用途 
7.4 ユニファイナーVシリーズ,Wシリーズ 
7.4.1 グレードと特性 
7.4.2 用途 
7.5 おわりに 
8 溶液加工性を有する高寸法安定性透明ポリイミド 
8.1 透明耐熱樹脂の必要性 
8.2 ポリイミドフィルムの透明性 
8.2.1 透明性に及ぼす諸因子 
8.2.2 ポリイミドの化学構造と透明性の関係 
8.2.3 ポリイミドフィルムの透明性に及ぼす重合プロセスの影響 
8.3 ポリイミドフィルムの低熱膨張特性 
8.3.1 低熱膨張性ポリイミドの分子構造的特徴 
8.3.2 線熱膨張係数(CTE)の評価 
8.4 透明ポリイミドフィルムの靭性 
8.5 低熱膨張性透明ポリイミド 
8.5.1 透明性と低熱膨張性の両立の困難さ 
8.5.2 透明性と低熱膨張性を両立するためのアプローチ 
8.5.3 剛直な脂環式ジアミン:t-CHDAより得られるポリイミド 
8.5.4 剛直な脂環式テトラカルボン酸二無水物:CBDAと芳香族ジアミンより得られるポリイミド 
8.6 脂環構造を有する透明ポリイミドにおける耐久性の懸念と対策 
9 フレキシブルディスプレイ基板の研究開発動向 
9.1 はじめに 
9.2 開発動向 
9.2.1 ポリイミドの透明化技術開発 
9.2.2 透明ポリイミドの機能化設計 
9.3 製品特性 
9.3.1 企業の開発動向
9.4 おわりに 
10 高耐熱光学レンズ用シクロオレフィンポリマーの技術開発動向 
10.1 はじめに 
10.2 シクロオレフィンポリマー(COP)の基本特性と光学レンズへの展開 
10.2.1 COPの合成 
10.2.2 COPの光学レンズへの展開 
10.3 シクロオレフィンポリマー(COP)の低複屈折化 
10.3.1 複屈折について 
10.3.2 COPの複屈折について 
10.4 シクロオレフィンポリマー(COP)の薄肉成形性向上 
10.4.1 薄肉成形性について 
10.4.2 COPの薄肉成形性向上について 
10.5 シクロオレフィンポリマー(COP)の高耐熱化 
10.5.1 光学レンズの高耐熱化について 
10.5.2 COPの耐熱性向上について
10.5.3 COPの車載カメラへの展開 
10.6 おわりに 

第3章 パワーデバイス・自動車用 
1 パワーデバイス用耐熱性高分子材料の開発動向 
1.1 はじめに 
1.2 熱硬化性樹脂の耐熱性 
1.2.1 物理的耐熱性 
1.2.2 化学的耐熱性 
1.2.3 成形加工性 
1.3 封止材料 
1.4 プラットフォーム用パワーモジュールでの耐熱性評価 
1.5 耐熱性熱硬化性樹脂 
1.6 高耐熱性封止材 
1.7 高Tjパワーモジュール用実装材料開発支援プロジェクト 
2 パワーモジュールにおけるパッケージ設計 
2.1 はじめに 
2.2 SiとSiCデバイスのパッケージ・実装研究開発状況 
2.2.1 Siデバイスの現状 
2.2.2 SiCデバイスの現状 
2.3 パワエレシステムの課題とパワー半導体への要求 
2.4 パワー半導体モジュールの最新状況 
2.4.1 Siパワーモジュール 
2.4.2 SiCパワーモジュール 
2.4.3 WBGデバイスの特性を発揮させる要素技術 
2.5 まとめ 
3 次世代パワー半導体向け高耐熱封止材料の開発 
3.1 はじめに 
3.2 次世代パワー半導体向け封止材料の開発コンセプト 
3.2.1 半導体封止材料の高耐熱化 
3.2.2 半導体封止材料の高絶縁化,高放熱化 
3.2.3 半導体封止材料の耐温度サイクル性向上
3.3 半導体封止材料の高耐熱化技術 
3.4 おわりに 
4 パワーモジュール用実装材料の設計技術 
4.1 はじめに 
4.2 パワーモジュールの構造と課題 
4.3 封止材料のパワーモジュールへの応用 
4.4 封止材料の組成とプロセス 
4.5 封止材料の設計技術 
4.5.1 機械物性の最適化 
4.5.2 硬化反応と溶融粘度の最適化 
4.6 おわりに 
5 高熱伝導樹脂複合材料のパワーモジュールへの適用 
5.1 はじめに 
5.2 BN粒子を用いた樹脂複合材料の高放熱化 
5.3 シアネートエステル樹脂による高耐熱化 
5.4 高耐熱・高熱伝導樹脂複合材料の特性 
5.5 今後の展望 
6 SiCパワーモジュールにおける放熱部材(基板)の課題と対応策 
6.1 はじめに 
6.2 SiCパワーモジュール用放熱部材 
6.2.1 セラミック基板 
6.2.2 メタルベース系基板 
6.2.3 放熱板/MMC(金属-セラミック複合体) 
6.3 SiCパワーモジュール用放熱部材における要求特性 
6.4 まとめ
7 車載部品の信頼性設計の考え方 
7.1 自動車産業が直面する課題と電動化の必要性 
7.2 車載パワーモジュールに対する要求性能と進化の特徴 
7.3 車載部品の信頼性設計の進め方とそのポイント 
7.4 信頼性評価のポイント 
7.5 最後に
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