★核酸医薬やペプチド医薬に代表される「中分子医薬」は創薬ターゲットとして近年大注目!
★DDS開発の現状,キャリア素材としてのバイオマテリアル開発,製剤の特性解析・評価技術について一挙解説!
★国内創薬研究のトレンドの把握に役立つ1冊!

中分子創薬に向けたDDS開発の新展開
New Horizon of Middle-Molecule DDS Development

商品概要
個数

特定商取引法に基づく表示の内容を確認しました
略称
DDS
商品No
bk7839
発刊日
2022年03月08日(火)
ISBN
978-4-7813-1659-8
体裁
B5判・239頁
価格
74,800円 (本体価格:68,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)シーエムシー出版
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:[email protected] 問い合わせフォーム
監修
杉林堅次
著者
杉林堅次   城西国際大学
金沢貴憲   静岡県立大学
桑原宏哉   東京医科歯科大学
横田隆徳   東京医科歯科大学
福田達也   和歌山県立医科大学
小暮健太朗  徳島大学
井上貴雄   国立医薬品食品衛生研究所
西川元也   東京理科大学
有馬英俊   第一薬科大学
隅谷和樹   北九州市立大学
和泉弘人   産業医科大学
望月慎一   北九州市立大学
櫻井和朗   北九州市立大学
茨木ひさ子  東京薬科大学
上原啓嗣   協和キリン㈱
幸田康生   協和キリン㈱
春元俊正   協和キリン㈱
青木吉嗣   国立精神・神経医療研究センター
宮田完二郎  東京大学
田中晶子   神戸薬科大学
坂根稔康   神戸薬科大学
山本 昌   京都薬科大学
鵜飼裕紀   京都薬科大学
森下将輝   京都薬科大学
勝見英正   京都薬科大学
佐藤秀行   静岡県立大学
南 景子   摂南大学
山下伸二   摂南大学
田原耕平   岐阜薬科大学
山添絵理子  岐阜薬科大学
伊藤貴章   岐阜薬科大学
長谷川慎   長浜バイオ大学
朱 耘浩   長浜バイオ大学
東 大志   熊本大学
中瀬生彦   大阪府立大学
佐野紘平   神戸薬科大学
森田康之   熊本大学
巨 陽    名古屋大学
秋永士朗   ナノキャリア㈱
内藤健一郎  ナノキャリア㈱
土屋千映子  ナノキャリア㈱
松山哲人   ナノキャリア㈱
加藤くみ子  北里大学
井上大輔   立命館大学
山本栄一   国立医薬品食品衛生研究所
清水太郎   徳島大学
石田竜弘   徳島大学
発刊にあたって
 20世紀後半から,それまでの低分子医薬の創薬に飽和現象が見られ,多くの低分子医薬品が「体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し,コントロールする」製剤,いわゆるDDSに置き換えられた。しかし,1990年代以降,抗体医薬などの蛋白質医薬の創薬が台頭した。その結果,現在では「モダリティ」なる用語が使われるようになった。モダリティとは低分子化合物,ペプチド(中分子)薬や核酸医薬,抗体医薬を含む蛋白質医薬,細胞医薬,再生医療といった治療手段のことである。いま,創薬業界はモダリティ選択,すなわち低分子医薬で押すか,高分子創薬を目指すか,はたまた,その中間の中分子創薬を目指すかという岐路に立たされている。低分子医薬なら今まで通りの経口剤開発法が使えるが新薬が出てこないという問題がある。一方,高分子医薬なら注射剤(それも静脈内注射剤)にすべきであり,製剤としての汎用性に欠けるという問題が残される。一方,中分子なら,注射でも簡便な「皮下注射剤」で対応でき,さらに最近の医療機器の進歩により患者やその介護者が自宅等でも投与することが可能になりつつあるというメリットがある。
 このような状況を踏まえ,今回「中分子創薬に向けたDDS開発の新展開」を上梓することになった。それぞれのセクションの著者はまさしく中分子創薬・創薬分野の日本の最先端研究者である。
(本書「刊行にあたって」より抜粋)
書籍の内容

【第1編:DDSの現状と将来展望】
第1章 経皮DDSの最前線
―iDDSに適した製剤技術―
1 はじめに
2 経皮ドラッグデリバリーシステムの利用
3 経皮ドラッグデリバリーシステムの発展
4 薬をインストールするという概念とiDDS

第2章 鼻-脳輸送機構を基盤とする中枢標的DDSナノキャリアの開発
1 はじめに
2 Nose-to-Brain分布動態の定量的解析技術の確立
3 Nose-to-Brainデリバリーに適するナノキャリアの粒子特性の探索
4  細胞透過性ペプチド修飾高分子ミセル(MPEG-PCL-Tat)による薬物・核酸のNose-to-Brainデリバリー
5 MPEG-PCL-Tatによる脊髄への薬物・核酸デリバリー
6 おわりに

第3章 血中グルコース濃度の変化に応答した効率的な血液脳関門通過性DDS
1 BBB通過性DDSの開発状況
2 血中グルコース濃度の変化に応答した効率的な血液脳関門通過性DDS
2.1 グルコーストランスポーター1(GLUT1)を活用したデリバリー戦略
2.2 グルコース修飾ナノ粒子の構築
2.3 グルコース修飾ナノ粒子の脳への集積
2.4 グルコース修飾ナノ粒子のBBB通過
2.5 抗体医薬や核酸医薬を搭載したグルコース修飾ナノ粒子の開発

第4章 脳梗塞部位における血液脳関門の能動的突破を目指したDDS開発
1 はじめに
2 DDSを用いた脳梗塞部位への薬物送達
2.1 脳梗塞部位へのリポソームの受動的な集積
2.2 リポソーム化脳保護薬による脳虚血/再灌流障害治療
2.3 DDS製剤と血栓溶解剤t-PAの併用療法
3 脳梗塞部位BBBの突破を目的とした生体膜模倣の利点
4 脂質膜間移行法を利用した生体膜模倣DDSの構築
4.1 脂質膜間移行法による人工膜への膜タンパク質再構成
4.2 脂質膜間移行法を用いた白血球模倣リポソームの作製
5 終わりに

【第2編:核酸医薬とDDS】
第5章 核酸医薬の基礎と開発動向
1 はじめに
2 核酸医薬の基礎
2.1 核酸医薬の定義
2.2 核酸医薬の分類
2.3 核酸医薬の細胞内移行
2.4 核酸医薬に用いられる修飾核酸
3 核酸医薬の開発動向
3.1 アンチセンス医薬の開発動向
3.2 siRNA医薬
4 おわりに

第6章 核酸医薬品の体内動態とDDS
1 はじめに
2 核酸医薬品の体内動態
2.1 核酸医薬品の構造的特徴
2.2 投与経路・投与方法
2.3 体内動態を規定する因子
2.4 血中相互作用
2.5 毛細血管透過性
2.6 血流量・血流速度
2.7 細胞取り込み
3 これからの核酸医薬品開発に求められるDDS

第7章  核酸医薬デリバリーをはじめ多彩な機能を有するデンドリマー/シクロデキストリン結合体
1 はじめに
2   DDS素材としてのシクロデキストリン/PAMAMデンドリマー(デンドリマー)結合体(CDE)
3 ガラクトース及びラクトース修飾CDE
4 マンノース及びフコース修飾CDE
5 葉酸及びPEG修飾α-CDE
6 低分子量サクラン/CDE/siRNA三元複合体
7 抗がん剤/CDE/siRNA三元複合体
8 医薬品有効成分(API)としてのCDE
9 おわりに

第8章 多糖核酸複合体の発見と核酸医薬DDSへの応用
1 緒言
2 多糖核酸複合体の発見とその応用
3 複合体に関する新たな発見
4 低分子複合体の構造解析
4.1 各ピークの分画
4.2 GPC-MALS
4.3 CD
5 量子化複合体を用いたDectin-1陽性細胞へのAS-ODNの送達の検討
5.1 蛍光観察による量子化複合体の取り込み
5.2 量子化複合体の生理活性評価
6 おわりに

第9章 細胞間隙を標的としたsiRNA組織内浸透型DDSの設計
1 はじめに
2 タイトジャンクション(TJ)モジュレーターによる薬物デリバリー
3 経皮投与によるsiRNAデリバリー技術
4 細胞間隙ルートを標的としたsiRNA皮内浸透キャリアの開発とアトピー性皮膚炎治療効果
4.1 細胞内動態制御ペプチドSTR-CH2R4H2C
4.2 柔軟性リポソーム(DOPE-リポソーム)
5 おわりに

第10章 リガンドコンジュゲートsiRNAによる標的細胞,組織への送達技術の開発
1 はじめに
2 核酸医薬の組織・細胞特異的な送達について
3 リガンドコンジュゲート核酸による送達技術の開発状況
3.1 核酸改変
3.2 リガンド改変からの技術開発
4 新たなリガンドコンジュゲート核酸への展開
4.1 CD206リガンドコンジュゲート核酸(CD206L-siRNA)
4.2 CD22リガンドコンジュゲート核酸(CD22L-siRNA)
5 終わりに

第11章 筋ジストロフィーに対する次世代核酸医薬の実用化と展望
1 はじめに
2 モルフォリノ核酸のデリバリー研究
2.1 膜透過ペプチドによるPMOデリバリー
2.2 疾患モデルを用いた膜透過ペプチド付加PMOの開発
3 ナノ医薬による筋組織への核酸デリバリー
3.1 サイズ調整による炎症性筋組織ターゲティング
3.2 トランスサイトーシスを介した筋組織ターゲティング
4 おわりに

【第3編:ペプチド医薬とDDS】
第12章 中分子ペプチドの脳内送達を目的とした鼻腔内投与型DDS製剤の開発
1 はじめに
2 薬物の鼻腔から脳への直接移行経路
3 鼻腔内投与によるoxytocinの脳内送達
4 さいごに

第13章 新規吸収促進剤Capryol 90によるペプチド・タンパク性医薬品の消化管吸収性改善ならびにその吸収促進機構の解析
1 序論(はじめに)
2 Labrasol®及びその関連製剤による難吸収性薬物の消化管吸収性及び
安全性の評価
2.1 インスリンの小腸吸収性に及ぼすLabrasol®及びその関連製剤の影響
2.2 ペプチド性医薬品以外の難吸収性薬物の小腸吸収性に及ぼすLabrasol®及びその関連製剤の影響
2.3 Labrasol®及びその関連製剤の小腸粘膜障害性の評価
2.4 Capryol 90の吸収促進効果に及ぼす薬物の分子量,部位差及び可逆性の影響
3 有効かつ安全性の高い新規吸収促進剤Capryol 90の吸収促進機構の解析
3. 1  刷子縁膜小胞(brush border membrane vesicles,BBMVs)における膜流動性に及ぼすCapryol 90の影響~transcellular routeにおけるCapryol 90の吸収促進機構~
3.2 CF及びinsulinのCaco-2細胞透過性に及ぼすCapryol 90の影響~paracellular routeにおけるCapryol 90の吸収促進機構~
3.3 各種TJ関連タンパク質の発現量及び局在性に及ぼすCapryol 90の影響~paracellular routeにおけるCapryol 90の吸収促進機構~
4 結論

第14章 印刷工学技術を応用した生理活性ペプチドの作用持続型吸入粉末製剤開発
1 はじめに
2 Fine droplet drying(FDD)工法
3 sCT封入PLGAマイクロ粒子の物理化学的特性評価
4 sCT/SRからの薬物放出特性およびin vitro吸入特性評価
5 ラット気道内投与後における薬理作用評価
6 おわりに

第15章 経口剤としてのリポソームの可能性:ペプチドの経口デリバリーへの応用
1 はじめに
2 ペプチド性医薬品の経口デリバリーの最近の動向
3 ペプチド性医薬品の経口製剤としてのリポソームの可能性
3.1 浸透圧感受性リポソームを利用した水溶性ペプチドの経口デリバリー
3.2 リポソームを利用した脂溶性ペプチドの経口デリバリー
4 終わりに

第16章 表面修飾リポソームを利用したペプチド性医薬品の経口・経肺投与製剤の開発
1 はじめに
2 吸収バリアとなる粘液・粘膜
3 薬物キャリアの粘膜付着性と粘液透過性
4 粘膜付着型リポソームによる経口吸収性改善
5 粘膜透過型リポソームによる経口吸収性改善
6 粘膜付着性リポソームと粘液透過性リポソームの比較
7 粘液透過性リポソーム中のPEG濃度が経口吸収に及ぼす影響
8 表面修飾リポソームの経肺投与への適用
9 おわりに

第17章 中分子医薬によるプロテアソームの活性制御
1 プロテアソームの機能と構造
2 プロテアソーム阻害剤
3 ペプチド付加型プロテアソーム阻害剤の効果
4 20Sプロテアソームの未知の機能
5 20Sプロテアソームを制御するペプチド

【第4編:バイオマテリアルとDDSキャリア開発】
第18章 シクロデキストリン超分子を基盤分子としたバイオ医薬品のための超利発型製剤技術・DDS素材の開発
1 超分子薬学
2 シクロデキストリンと超分子
3 包接複合体化に基づくタンパク質のPEG化:SPRA技術
4 ポリ擬ロタキサンを用いたタンパク質性薬物の徐放化および安定化
5 ポリロタキサンを基盤分子とした変幻自在超分子製剤素材
6 新規製剤素材としてのポリカテナンの可能性
7 展望

第19章 膜透過性ペプチド修飾型エクソソームを基盤とした薬物送達技術の開発
1 はじめに
2 膜透過性ペプチドとマクロピノサイトーシス誘導
3 エクソソームの基礎
4 エクソソームの細胞内移行におけるマクロピノサイトーシスの重要性
5 CAP18タンパク質由来の膜透過性sC18ペプチド修飾型エクソソーム
6 その他の機能性ペプチド修飾型エクソソーム開発
7 おわりに

第20章 がんのセラノスティクスを目指した水溶性ポリマーを基盤とするDDS製剤の開発
1 はじめに
2 水溶性ポリマー
2.1 水溶性ポリマーを母体とする診断用薬剤の開発
2.2 水溶性ポリマーを母体とする核医学治療用薬剤の開発
3 おわりに

第21章 tLyP-1ペプチドを用いた標的指向型DDSナノキャリアの開発
1 はじめに
2 tLyP-1ペプチド
3 tLyP-1を用いたがん細胞指向型DDSナノキャリア
3.1 メソポーラスシリカナノキャリア
3.2 金ナノロッドをコアとするナノキャリア
3.3 マグネタイトナノ粒子をコアとするナノキャリア
4 おわりに

第22章 低分子および中分子薬剤を内包する抗がん剤ナノDDS製剤の開発―ナノキャリア社の挑戦―
1 イントロダクション
2 抗がん剤ナノミセル製剤とその技術基盤
3 オリゴ核酸用に開発されたナノDDSとその応用
4 mRNA医薬に応用可能なナノミセルと膝関節症治療への応用
5 終わりに

【第5編:DDSの解析・評価】
第23章 中分子創薬に向けたナノDDS製剤の分析評価技術
1 はじめに
2 中分子創薬に向けたナノDDS製剤開発の指針
3 評価試験標準化の動向-日本薬局方における取組
4 ナノDDS製剤の品質特性解析法
4.1 サイズ・画像解析法
4.2 画像解析法
4.3 表面電荷
4.4 薬物放出
4.5 ナノDDS製剤の薬物動態測定
4.6 ナノDDS製剤の非臨床安全性評価
4.7 同等性/同質性評価
5 おわりに

第24章 薬物動態学評価に基づく鼻腔から脳への薬物送達機構の解析
1 はじめに
2 鼻腔から脳への薬物送達
3 経鼻投与後の鼻腔から脳への薬物送達経路と定量的評価
4 脳部位別分離評価による経鼻投与後の脳内動態解析
5 経鼻投与後の脳内薬物送達に対する脳内生理機能の影響
6 おわりに

第25章 リポソーム製剤の薬物放出性評価法
1 はじめに
2 In vitro放出性評価法
3 In vitro放出性に影響を及ぼす要因
4 IVIVC
5 おわりに

第26章 中分子医薬品やDDSに対する免疫応答
1 はじめに
2 ペプチドに対する免疫応答
3 核酸に対する免疫応答
4 DDSに対する免疫応答
4.1 ナノ粒子に対する補体系の活性化と抗PEG抗体誘導
4.2 抗PEG抗体誘導抑制
5 おわりに

個数

特定商取引法に基づく表示の内容を確認しました
フリーワード検索