ナトリウムイオン二次電池の開発と最新技術

商品概要
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略称
ナトリウムイオン二次電池
商品No
bk2652
発刊日
2015年11月30日(月)
ISBN
978-4-907837-26-6
体裁
B5判 223頁
価格
60,500円 (本体価格:55,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
S&T出版(株)
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:[email protected] 問い合わせフォーム
著者
≪編集≫
岡田 重人(九州大学)
駒場 慎一(東京理科大学)
山田 淳夫(東京大学)

≪著者≫
久保田 圭 / 東京理科大学
駒場 慎一 / 東京理科大学
山田 淳夫 / 東京大学
大久保 将史/ 東京大学
松井 雅樹 / 科学技術振興機構・三重大学
片岡 邦光 / 産業技術総合研究所
秋本 順二 / 産業技術総合研究所
守友 浩  / 筑波大学
薄井 洋行 / 鳥取大学
坂口 裕樹 / 鳥取大学
倉谷 健太郎/ 産業技術総合研究所
清林 哲  / 産業技術総合研究所
江頭 港  / 日本大学
林 晃敏  / 大阪府立大学
辰巳 砂昌弘/ 大阪府立大学
獨古 薫  / 横浜国立大学
渡邉 正義 / 京都大学
岡田 重人 / 九州大学
萩原 理加 / 京都大学
松本 一彦 / 京都大学
野平 俊之 / 京都大学
福永 篤史 / 住友電気工業(株)
酒井 将一郎/ 住友電気工業(株)
新田 耕司 / 住友電気工業(株)
林 克也  / 日本電信電話(株)
由井 悠基 / 日本電信電話(株)
小野 陽子 / 日本電信電話(株)
蓑輪 浩伸 / 日本電信電話(株)
林 政彦  / 日本電信電話(株)
本間 剛  / 長岡技術科学大学
篠崎 健二 / 長岡技術科学大学
小松 高行 / 長岡技術科学大学
折笠 有基 / 京都大学
内本 喜晴 / 京都大学
後藤 和馬 / 岡山大学
原田 幸明 / 物質材料研究機構(NIMS)
趣旨
○低コスト・急速充放電可能・高エネルギー密度な次世代蓄電池
○次世代大型蓄電池の現実解
○究極の元素戦略電池
○リチウム系とは異なる機能材料を幅広く適用できる
○リチウム電池生産における施設・設備流用可能


出版のねらい

 我が国の電子立国から蓄電立国への産業構造の転換を牽引し、Made in Japanの国際競争力を高めるキーデバイスとして、「ポストリチウムイオン電池」が2012年度より開始された拠点形成型元素戦略プロジェクトの重要なターゲットの1つとなっている。
 電池は大型化するほど、電池製造コストに占める材料費の占める割合が増えるため、エネルギー密度からコストパフォーマンスへ電池要求性能の優先度が移行する。次世代大型蓄電池の現実解として、ナトリウムイオン電池の研究が日本のみならず世界的に波及したニーズ側の必然がここにある。
 シーズの面においても、ナトリウムと遷移金属のイオン半径コントラストが提供する”Rich Chemistry”はリチウム系を大きく凌駕する未知の広大な物質群を研究対象として提供しており、アカデミックな面からも多くの材料研究者を惹き付けてやまない魅力的なフロンティアといえる。
 その研究開発の歴史をひも解くと、層状岩塩型LiCoO2正極へのLi可逆インターカレーション反応が水島-Goodenoughらによって最初に論文発表されたのは、1980年4月、層状岩塩型NaCoO2正極へのNa可逆インターカレーション反応は、1980年10月、Hagenmullerのグループから論文発表。→両電池はほぼ同じ長さの歴史を持っていながら、リチウムイオン電池市販化から4半世紀遅れて日本では住友電工、英国ではFaradionからナトリウムイオン電池のサンプル出荷が始まり、国内外のナトリウムイオン電池実用化の動きにも目が離せない状況になりつつある。
 本書は、この時宜を得たタイミングで世に出ることになるナトリウムイオン電池に関する本邦初の体系的書籍である。今日の世界的ナトリウムイオン電池ブームの火付け役となった日本を代表するナトリウムイオン電池研究者により、その開発経緯と背景、現状、要素技術、デバイス技術の最新情報が広くカバーされた内容となっている。次世代蓄電池の研究開発現場のみならず、これから研究開発に従事する読者にとっても、最適な指針となるものと信ずる。
書籍の内容

第1編 ナトリウムイオン2次電池の研究開発動向

第1章 ナトリウムを活用する高エネルギー密度蓄電池
1. はじめに
2. ナトリウムイオン二次電池の構成と作動原理
3. ナトリウムイオン二次電池の基本特性
4. ナトリウムイオン二次電池とリチウムイオン二次電池の違い
5. ナトリウムイオン二次電池の課題
6. ナトリウムイオン二次電池の注目度と展望

第2章 ナトリウムイオン二次電池の最新研究開発動向(世界と日本)
1. はじめに
2. ナトリウムイオン二次電池の研究開発
3. ナトリウムイオン二次電池材料
 3-1. 層状酸化物正極材料
 3-2. トンネル型およびオキソ酸系正極材料
 3-3. 負極材料の開発

第2編 ナトリウムイオン2 次電池の材料技術

第1章 有鉄系正極材料の設計戦略
1. はじめに
2. 酸化還元中心としての鉄
3. オリビン型リン酸鉄リチウム
4. リチウムからナトリウムへの転換
5. 正極材料としてのナトリウム鉄化合物
6. アルオード型硫酸鉄ナトリウム

第2章 プルシアンブルー系正極材料の研究開発
1. PBA の合成方法,構造,および組成
2. PBA の基本的な電気化学特性
3. AMFe3+-PBA の電極特性
 3–1. AM2+Fe3+-PBA (M = Mn, Co, Ni, Cu, Zn)
 3–2. KFe3+Fe3+-PBA
4. NaM2+M’2+-PBA の電極特性
 4–1. NaM2+Fe2+-PBA (M = Fe, Mn, Co, Ni, Cu, Zn)
 4–2. AMnMn-PBA
5. まとめと今後の展望

第3章 層状酸化物正極の構造安定化
1. はじめに
2. カルシウム置換P2 型NaxCoO2 の合成
3. カルシウム置換P2 型NaxCoO2 の電気化学特性
4. カルシウム置換P3 型NaxNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NaxNCMO)の合成
5. カルシウム置換P3 型Na0.60-xCaxNCMO の電気化学特性
6. ナトリウムサイト置換効果の結晶学的考察
7. おわりに

第4章 トンネル構造を有する新規ナトリウム遷移金属酸化物の開発
1. はじめに
2. ナトリウムマンガン酸化物Na4Mn9O18
3. ナトリウムチタン酸化物系の結晶化学
4. ナトリウムチタン酸化物Na2Ti4O9
5. おわりに

第5章 配位高分子系ナトリウムイオン2次電池材料
1. 配位高分子とは
2. プルシャンブルー類似体
 2–1. プルシャンブルー類似体とは
 2–2. 二次電池正極材としての歴史
 2–3. プルシャンブルー類似体の合成
 2–4. 電極特性の概観
3. マンガンプルシャンブルー類似体
 3–1. 充放電特性
 3–2. イオンの脱離/挿入とホスト構造
 3–3. イオンの脱離/挿入と遷移金属の価数
4. コバルトプルシャンブルー類似体
 4–1. 充放電特性
 4–2. イオンの脱離/挿入とホスト構造
 4–3. イオンの脱離/挿入と遷移金属の価数
5. プルシャンブルー類似体の特徴
 5–1. 平坦な放電曲線
 5–2. イオン引き抜きに対する安定性
 5–3. 大きなイオン拡散係数

第6章 酸化物系負極材料の研究開発
1. はじめに
2. NIB 負極活物質の材料設計
3. ニオブをドープしたルチル型酸化チタン(Nb-doped rutile TiO2)
4. 酸化スズ(SnO)とリン化スズ(Sn-P)・・・92
5. 酸化ケイ素(SiO)
6. おわりに

第7章 ナトリウム二次電池用電解液の基礎物性
1. はじめに
2. 密度
3. 粘度
4. 比伝導度
 4–1. 溶液中のイオンの移動
 4–2. 立方根(C1/3, Cube root) 則
 4–3. イオン半径・・・107
5. ラマン分光によるカチオン―溶媒相互作用の検討
6. おわりに

第8章 ナトリウム二次電池用イオン液体電解液
1. はじめに:ナトリウム二次電池におけるイオン液体利用の意義
2. ポリエーテルを第三成分とする三成分電解液の開発
3. プロピレンカーボネートを第三成分とする三成分電解液の開発
4. おわりに

第9章 無機系固体電解質の開発
1. はじめに
2. 硫化物固体電解質の特長
3. 全固体ナトリウム電池の作製
4. おわりに

第10章 有機電解液の開発とナトリウムイオン2次電池への適用可能性
1. はじめに
2. 電解質塩
3. 溶媒
4. SEI
5. 溶媒和イオン液体
6. おわりに

第3編 ナトリウムイオン2次電池の作成技術

第1章 水系ナトリウムイオン2 次電池の開発技術

第2章 イオン液体を用いたナトリウムイオン二次電池の開発
1. はじめに
2. 無機FSA 系イオン液体の性質
3. 無機―有機ハイブリッドFSA 系イオン液体の性質
4. FSA 系イオン液体のナトリウム二次電池への応用
5. イオン液体を用いたナトリウム二次電池の実用化
6. おわりに

第3章 ナトリウムイオン2次電池の研究開発―NTT における取り組み―
1. はじめに
2. ナトリウム金属電極
3. Sn-Co 合金負極
4. NaCuO2 正極
5. プルシアンブルー正極
6. おわりに

第4章 ガラスセラミックスによるナトリウムイオン二次電池の開発
1. はじめに
2. リン酸鉄系ガラスセラミックス正極
3. スズリン酸ガラス負極
4. NASICON 型Na3Zr2Si2PO12 (NZP) と低融性Na+ 伝導ガラスとの複合固体電解質
5. 主要部材全てリン酸塩にこだわること– 新奇全固体電池への展開
6. まとめ

第4編 ナトリウムイオン2次電池の評価・解析・計測技術

第1章 放射光X線吸収分光法によるナトリウムイオン2次電池正極材料反応解析
1. はじめに
2. X線吸収分光法の概要
3. ナトリウムイオン2次電池正極材料への適用例
4. まとめ

第2章 NMRによる二次電池の計測
1. NMR によるリチウムおよびナトリウムの観測・・・199
2. 正極材料
 2–1. リチウムイオン電池正極
 2–2. ナトリウムイオン電池正極
3. 負極材料
 3–1. リチウムイオン電池負極炭素
 3–2. ナトリウムイオン電池負極炭素
 3–3. 炭素以外の負極材料研究
4. 電解液
5. おわりに

第5編 電池材料と資源問題

2次電池材料の展望と資源戦略
1. 関連資源の消費動向
2. 資源制約の5つの要因
3. 資源をめぐる持続可能性の3つの視点
4. 今後の資源動向
 

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