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共創企画 代表 中條 博則 氏 【元・(株)東芝】
カメラモジュールは、ノートPC、携帯電話、Smartphoneなどのモバイル機器用を中心に市場が拡大してきました。なかでもSmartphoneはその成長速度が著しく、登場から僅か10年で世界中に行き渡り、最近は早くもその成長が鈍化しつつあります。とはいえ、搭載カメラの重要度はますます高まっており、SmartphoneのDesignを左右する小型化、低背化の追求はもちろんのこと、高速オートフォーカス技術、光学ズーム、OIS(光学式手ブレ補正システム)などによる性能の向上、2つのカメラ(Dual Camera)を用いたComputational Photography技術により一眼レフ並以上の高画質を目指す動きが活性化しています(2018年には3つのカメラを搭載したSmartphoneが登場)。そのため、搭載カメラは今後も継続した数量増が期待されています。
一方、ここ2、3年は車載カメラの話題性も非常に高まっています。その背景には、自動車の安全性を高め、運転者の負担を軽減するADAS (Advanced Driver Assistance System:高度運転支援システム)機能の普及拡大 、自動運転技術の具現化促進があります。カメラはそれら機能を実現する主要部品と位置付けられ、市場が急拡大しているのです。長年の夢だった自動運転技術が最近急激に進歩した裏には、Deep LearningなどAI (人工知能)の驚異的な進化があります。Deep Leaningの精度向上には「ビッグデータの収集」が必須です。そこで「認知」「判断」「制御」にかかわる多くの情報を走行車両から確保するため、自動車にインターネットとの接続機能が必要になります。いわゆる「Connected Car」ですが、その実現を容易にするため、2014年AppleとGoogleがSmartphoneと車載Displayの連携機能を発表し、車載市場に参入しました。これは、Smartphone市場の飽和を予測した「新市場開拓」です。「前例のない」全くの異業種へでも、会社の継続性を考えて参入するのがグローバルな「常識」なのです。ただし、自動運転はすべてのものがインターネットにつながる今話題の「IoT」の一つの事例にすぎません。自動運転の急激な進化からも分かるように、世界はIoT社会の本格化に向かって大きく前進し始めています。IoT社会でもカメラの果たす役割は非常に大きく、その市場規模は、今後ますます拡大すると予測されています。またVR (Virtual Reality:仮想現実) Game機が登場し、Smartphone用のVR HMD Adaptorも多数市販されたことから、2016年は「VR元年」と言われています。VR/ AR(Augmented Reality:拡張現実/ 車載HUDもこの一例) / MR (Mixed Reality:複合現実)などの技術は、IoT社会での新たなHMI (Human Machine Interaction)として、今後さまざまな業種に恩恵を与えるものと期待されています。これらの機器でもカメラの果たす役割は大きく、本格化が見込まれる2020年以降、非常に大きな市場を形成すると見込まれています。さらに、これらの製品は将来Post Smartphoneとして、新たな通信手段になるのではないか、との意見もあります。
このようにカメラモジュールはAI技術により「知能が高まる」さまざまな製品でViewing、Sensing用として重要な役割を果たし、その地位を不動なものにしつつあります。これは、「眼の機能」の誕生が「脳の機能の発達」を促したことにより、生物の多様化が一気に進んだ『カンブリア爆発』を彷彿とさせます。カメラモジュールという「眼の機能」が「人工知能/ AIの高度化」を促進し、技術・製品の高度化、多様化が一気に進む、『現代版カンブリア爆発』が近い将来起きるかもしれません。その実現には、膨大な数量のカメラを、高品質、廉価、そして円滑に供給できる体制の確立が必須です。その要求を満たせるものとしては、WLO (Wafer Level Optics)を採用したリフローカメラモジュール(WLCM: Wafer Level Camera Module)が最適です。組立技術に依存しないWLCMの最大の利点は、従来のカメラモジュールでは絶対不可能だった超小型品(たとえば0.5 x 0.5mm)が具現できることです。サイズの束縛から解き放たれることにより、いままで考えられなかったApplicationが登場するかもしれません。
本書では、大きく変わりつつある車載カメラモジュールを取り巻く市場環境、自動運転に向けた自動車業界の動向、車載Displayの動向、車載カメラの市場・技術動向、そして将来的にIoTに向かう市場の流れ、IoT時代には最適なWLOを使用したカメラモジュールなど、多方面にわたり徹底解説します。
2018年 3月 26日
著者 共創企画 代表
中條博則
発刊にあたって
第一章:ADAS・自動運転動向
1.IT企業が加速した自動運転技術
1-1 2017年「SAELevel3」自動運転車欧州で市販開始
1-2 Smartphone、その源流と事業成功の3つのKeyWords
1-2-1 iPhoneの源流Apple「Newton」
1-2-2 事業的成功の1つ目のKeyWord「独自インフラ構築」
1-2-3 事業的成功の2つ目のKeyWord「LocalizeFreeの実現」
1-2-4 事業的成功の3つ目のKeyWord「UserInteractionとDesignの融合」
1-2-4-1 「3次元Interaction」の本命に躍り出たAmazon「Alexa」
1-3 iPhoneの独自CloudComputing環境に倣った競合
1-4 Infotainment市場に突如参入したApple、Google
1-4-1 証明された「想定外」IVI経由のハッキング
1-4-2 独自のInfotainmentを推進する自動車業界
1-4-3 Apple、Google車載市場参入の真の狙い
1-5 AI技術
1-5-1 急激な「DeepLearning」の進化
1-5-2 AI技術の普及・発展を目指す「PartnershiponAI」
2.本格化する自動運転そしてIoTへ
2-1 ADAS普及を促進した国際交通安全宣言
2-2 交通事故低減、日本の取組み
2-3 1GTelematicsでは最先端、日本の取組み
2-3-1 Galapagos化に一直線、ITSConnect
2-4 欧米の安全立法促進、加速された車載カメラ標準搭載
2-5 進化するADAS、自動運転で車載カメラが果たす役割
2-5-1 SensorFusionが進むADAS、FrugalInnovationが鍵
2-5-2 ADAS用カメラシステムではDefactoの「Mobileye」だが・・・
2-6 自動運転技術開発を加速する欧州勢
2-6-1 SAE方式に統一、自動運転の分類と関連国際法の動向
2-6-2 Level3、4の公道走行が可能に、ウィーン道路交通条約加盟国
2-6-2-1 日本初「大規模」公道自動運転試験プログラム
2-6-2-2 巨大「無人」ラジコンカー日本の公道を走る
2-6-2-3 脅威!国際法の縛りがない中国の動向
2-6-3 『対話可能』な自動車実現、4D-Interactionの本命登場か
2-6-4 『走るSmartphone』を具現するTesla
2-6-4-1 Mobileyeと決別、新ステージに突入したTesla
2-6-4-2 Teslaが構築、進化し続ける自動運転技術「FleetLearning」
2-6-4-3 Mobileyeを買収、Intelの狙いは
2-6-5 激化する「OverLevel3」自動運転システム覇権争い
2-6-6 高自動運転適合性、PHEV/EVに大きく舵を切った欧州勢
2-6-6-1 ユーザー不在、身内のRISK回避で普及するのかCHAdeMO
2-6-6-2 EV普及に必須、Batteryの潤沢な供給
2-6-6-3 疲弊するガソリンスタンド、放置して良いのか
2-6-7 2017年は自動運転「元年」、ただしそれは「諦めが早い」もの
2-6-7-1 SAELevel3運転技能認証制度導入必要性
2-7 自動運転開発新段階に、HONDAとも提携した「Waymo」
2-7-1 自動運転周辺情報検出用RotaryLiDARの課題
2-7-2 SAELevel4では必須、SolidStateLiDAR
2-8 すべての『もの』がCloudにつながるIoT社会到来
第二章:車載カメラ関連市場・技術動向
1.市場・要求特性
1-1 カメラ機能が必須な製品
1-1-1 各種製品用ImageSensor市場動向(数量&金額)
1-2 安全機能立法、ADAS普遍化により急拡大する車載カメラ市場
1-2-1 車載カメラの製品分類・市場動向(e-mirror解禁)
1-2-2 主な車載カメラの搭載箇所と課題
1-2-3 Viewingカメラの市場動向とSupplyChain
1-2-4 Sensingカメラの市場動向とSupplyChain
1-3 車載カメラ用Lensに要求される特性
1-4 FIR(遠赤外線)カメラの概要およびコストダウン技術
1-4-1 FIRカメラの市場動向
1-4-2 FIRカメラ用Lensの種類と特徴
1-4-3 Si-WLOを採用、FIRカメラのコストダウン手法
1-5 AR/VR/MR機器でも存在感を示すカメラ機能
1-5-1 AR/VR/MR技術が期待される分野と用途
1-5-2 HMD/SmartGlassに搭載されるカメラ仕様
【TeaTime】「情報」について考える
2.車載用に展開可能な技術
2-1 Smartphone用カメラモジュールの最新動向
2-1-1 ComputationalPhotography技術で一眼レフ並の「ボケ味」も実現
2-1-2 FrontCameraにも展開するDualCamera、究極の4Camera登場
2-2 車載カメラにも応用できるSmartphone用カメラ技術
2-2-1 ImageSensorの感度向上によるCell縮小、車載カメラの小型化実現
2-2-2 積層型CMOSImageSensorによるFFカメラの小型化
2-2-3 小型車載カメラの放熱設計
2-2-4 実装技術の工夫、薄型材料により実現する小型車載カメラ
2-2-5 部品内蔵基板で実現する車載カメラの小型化
2-2-5-1 部品内蔵基板の分類と開発品事例
2-2-6 小型化・数量削減に最適、WLOリフローカメラ
2-2-6-1 リフローカメラモジュールの重要性
2-2-6-2 リフロー実装技術の歴史
2-2-6-3 リフロー化の難易度を押し上げたRoHS指令
2-2-6-4 リフローカメラモジュールの分類
2-2-6-5 TSV技術により実現したCSP仕様ImageSensor
2-2-6-6 CSPベースリフローカメラモジュールの製造フロー
2-2-6-7 既存製法とリフローカメラモジュール比較
2-2-7 WLOリフローカメラの車載用、医療用への応用
2-2-7-1 複数のリフローカメラによる広角車載撮像システム
2-2-7-2 複数のリフローカメラによる多機能車載システム
2-2-7-3 ZDを目指すBackup機能付きe-mirrorシステム
2-2-7-4 量産中のリフローカメラモジュールの事例
2-2-7-5 医療用にも最適、超々小型WLOリフローカメラ
3.Display市場・技術動向
3-1 車載カメラの「出力画素数」に影響するDisplay画素数の動向
3-1-1 DisplaySize/画像Format/解像度の関係
3-1-2 Display解像度の適否を判定する視力の基礎知識
3-2 製品別適正解像度
3-2-1 車載Displayの適正解像度
3-2-1-1 Displayから導かれる車載カメラの画素数、FHDで十分か
3-3 AMOLEDの動向
3-3-1 2014年、超薄型Smartphone実現のためAMOLED採用開始
3-3-2 AMOLEDの市場動向、Keyとなる製造装置
3-3-3 AMOLED、車載用展開の可能性
3-3-4 蒸着方式の「空白地帯」を埋める印刷方式AMOLED
3-3-5 ImageSensorとの共通技術への回帰、PostAMOLEDの動向
3-4 静電容量式TouchPanelの分類、車載用への展開
3-4-1 車載用TouchPanelの市場動向
4.ImageSensor技術動向
4-1 CCD、CMOS、2種類のImageSensorの動作原理と特徴
4-2 ImageSensorの市場動向
4-2-1 Smartphone用CMOSImageSensorの市場動向
4-2-2 車載用ImageSensorの市場動向
4-3 車載用/IoTに展開可能、高CRA対応ImageSensor技術
4-3-1 「色シェーディング」抑制、高CRA対応IRCF
4-3-2 車載用/IoTでも感度向上に寄与、BSIImageSensor
4-3-3 車載用/IoTでも感度向上に寄与、素子分離型ImageSensor
4-3-4 1,000fps、超高速3層積層ImageSensor
4-4 Smartphone用CMOSImageSensorのCell微細化Trend
4-4-1 あまり大きくない『BigCell』への回帰、高画質追求
4-4-2 ついに登場!0.9?mCellSizeImageSensor
4-4-3 感度Upに効果、SWS構造「BlackSilicon」
4-4-4 車載カメラの小型化実現、Cell微細化
4-4-5 光学サイズの定義
4-4-5-1 光学サイズと光路長の比から低背度を表すHeightRate
4-5 車載用ImageSensor主要機能
4-5-1 DynamicRange拡大、HDR機能
4-5-1-1 光学系DR拡大、不要反射光低減の工夫
4-5-2 GlobalShutter
4-5-3 車載カメラに必須、LEDフリッカ抑制機能
4-5-4 夜間歩行者検出用「超高感度」/「RGB+NIR」ImageSensor
4-5-4-1 夜間歩行者検出精度向上、FIRカメラとのFusion
4-6 FIR(遠赤外線)ImageSensor
4-7 特殊構造のImageSensor
4-7-1 ColorFilter不要、垂直色分離型ImageSensor
4-8 Displayとの共通技術に回帰、次世代ImageSensor
4-8-1 量産せず「進化・変化」する有機CMOSImageSensor
4-8-2 AppleがM&A、QDImageSensorStartup
4-9 Lens-lessカメラ
4-9-1 RambusLens-lessImageSensorの概要
4-9-2 意図不明、FZAフィルムによる日立のLens-lessカメラ
5.Lens設計の基礎
5-1 Lens性能を決定する収差の種類、今も生きる「基本設計」
5-2 Lens材料とその特徴
5-3 熱可塑性樹脂Lens設計の注意点
5-4 熱可塑性樹脂Lens製造プロセス
5-5 特定メーカーの強さが際立つSmartphone用Lens
5-6 Lens要求仕様作成上の注意
5-7 Lensの諸特性
5-7-1 ImageSensorとカメラモジュールのMTF
5-8 Lensが解像可能なCellSize限界
6.各種耐熱Lens
6-1 耐熱Lensの分類と概要
6-2 各種耐熱Lensの製法と特徴
6-2-1 移動金型式GMOの製法と特徴
6-2-2 InjectionMold熱硬化性樹脂Lensの製法と特徴
6-2-3 HybridLensの製法と特徴
6-2-4 CastingWLOの製法と特徴
6-2-4-1 CastingWLOの金型製法、他方式との比較
6-3 HybridWLOとCastingWLO製造装置比較
6-4 WLOの非球面測定法
6-5 複屈折が解像度に与える影響、各種Lensの複屈折の実力
6-6 各種Lensの材料費比較
6-7 各種Lensの設備投資額比較
6-8 各種耐熱性樹脂の特性
6-8-1 耐熱性樹脂の光学特性
6-8-2 Monolithic樹脂/CastingWLO現物と設計値との誤差
6-9 超短PulseLaserDicerによるWLO個片化技術
6-9-1 HybridWLO個片化手法の問題点
6-9-2 非熱加工可能、超短PulseLaserDicer(旧ミシガン特許)
6-9-3 新型LaserDicerでGorilla®Glassを一刀両断、Appleの戦略
6-9-4 自動車用にも展開するGorilla®Glass
第三章:IoT本格化に向けた業界動向
1.半導体市場動向
1-1 2015~2016年、吹き荒れた半導体業界再編の嵐
1-1-1 車載半導体の市場動向/Ethernet車内LANの主役に
1-1-1-1 主要車載半導体勢力図変化事例
1-1-1-2 ONSemiconductorの車載半導体Business戦略
1-2 主要車載半導体の市場動向、シェア、SupplyChain
【車載用MOSFETの市場規模推移・予測/MarketShare】
【車載用MPUの市場規模推移・予測/MakerShare/SupplyChain】
【車載用PowerICの市場規模推移・予測/MakerShare/SupplyChain】
【車載用Radarの市場規模推移・予測/MakerShare/SupplyChain】
【車載用LIDARの市場規模推移・予測/MakerShare/SupplyChain】
2.眼の機能普遍化で進化するAI
2-1 UbiquitousNetworkingの具現化、IoT社会
2-1-1 ServerのAI対応加速、各社の取組み
2-1-2 自動運転に必須、「2種類のDeepLearning」の融合
2-1-3 すべての『もの』に知性を与える「NeuromorphicChip」
2-1-4 Droneの市場動向
2-1-4-1 「無電柱化法案」成立、どうなる日本のDrone事業の未来
2-1-5 家庭用IoTの本命に躍り出た「SmartSpeaker」
2-2 IoTは視覚センサとAIが醸し出す「現代版カンブリア爆発」である
参考文献