小泉直人 東北大学 大学院工学研究科 准教授
山田宗慶 (独)国立高等専門学校機構 秋田工業高等専門学校 校長
若松周平 千代田化工建設(株) 研究開発センター
大山聖一 (財)電力中央研究所 環境科学研究所 上席研究員
関 浩幸 新日本石油(株) 中央技術研究所 燃料研究所 燃料油・プロセスグループ チーフスタッフ
池田史郎 (株)りゅうせき バイオエタノールプロジェクト推進室
井上宗士 (株)明電舎 基盤技術研究所 材料研究部
中根 尭 三菱化学(株) イオン交換樹脂研究所 分離膜プロジェクト
冨重圭一 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 准教授
稲葉 仁 (独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター BTL触媒チーム 研究員
馬場俊秀 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 教授
稲津晃司 東京工業大学 フロンティア研究センター 助教
小山 徹 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 産学連携研究員
白鳥伸之 (株)ジャパンエナジー 精製技術センター 上席研究員
河西崇智 (株)ジャパンエナジー 精製技術センター 研究員
奥 崇 (株)耐熱性酵素研究所 代表取締役 社長
浦野直人 東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科 教授
小川 剛 東京海洋大学 大学院 JSPS特別研究員
小原 聡 アサヒビール(株) 豊かさ創造研究所 バイオエタノール技術開発部 主任研究員
寺島義文 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター バイオマス・資源作物開発チーム 研究員
山田富明 (財)エネルギー総合工学研究所 プロジェクト試験研究部 副参事
塩谷 仁 アドバンスソフト(株) 技術第3部 第14課
後藤新一 (独)産業技術総合研究所 新燃料自動車技術研究センター センター長
齋藤熹敬 (元)(社)アルコール協会 研究開発部長 企画事業部分析室長
今,世界のエネルギー体系は大きな変革を迎えている。
原油価格は,2004年以降大幅な変動を伴いながら高騰を続けてきたが,2008年の世界的金融危機により大きく値を下げ,世界経済に大きな影響を及ぼした。このような原油価格の乱高下に加え,埋蔵量などの問題から,化石燃料,原子力,水力などを中心としたエネルギー体系の見直しが進んでいる。
一方,再生可能な資源としての新エネルギーへの投資が活発化している。現在の投資の中心は,エネルギー転換効率が高い風力発電と太陽光発電であり,特に太陽光発電は,日本において先駆的に研究開発が行われてきた分野でもある。また,バイオマスエネルギーに関しても,カーボンニュートラルな資源であることに加え,安定供給や低コストの発電が可能,液体燃料への転換が容易といった理由から,化石燃料の代替エネルギーとして大きな注目を集めている。
本書の前半では技術編として,新エネルギー・バイオマスエネルギー分野の第一線でご活躍されている方々にご執筆頂いた技術論文をまとめた。また,後半では市場動向編として,各種エネルギーの市場動向を編集部でまとめた。技術編の内容は,月刊ファインケミカルおよび月刊BIOINDUSTRYにご執筆頂きご好評を博した論文に,一部手を加えていただき掲載した。
CO2排出量削減を急ぐ,電力・ガス・石油・石炭などのエネルギー関連会社,下水汚泥・バイオガス発電・廃食用油ディーゼル燃料化などの装置・プラントメーカー,製紙・セメント・食品・飼料・ゼネコンなどのバイオマス排出メーカー,酵素の製造・利用に関連した企業など,新エネルギーやバイオマスエネルギーに興味をお持ちの方々は多い。本書は,多くの方々に最新の情報を提供することを目的とした。
(「はじめに」より)
2010年1月 シーエムシー出版 編集部
【 技術編 】
第1章 Fischer-Tropsch合成用Co触媒の開発に関する最近の動向(小泉直人,山田宗慶)
1. はじめに
2. クリーン燃料の重要性とFTS反応
3. FTS触媒ならびに反応機構
4. Co触媒の調製法と設計指針
5. Co系FTS触媒の調製にかかわる最近の研究動向
5.1 Co前駆体の影響
5.2 担体効果
5.3 添加物効果
5.4 キレート剤を用いた新規触媒調製法
6. おわりに
第2章 二酸化炭素を原料とした合成ガス製造プロセスの開発(若松周平)
1. はじめに
2. 天然ガスのリフォーミング
3. CO2リフォーミング触媒
4. CO2リフォーミング触媒性能
5. CO2リフォーミングプロセスおよびプロセスの適用
6. おわりに
第3章 低温メタノール合成触媒の開発動向(大山聖一)
1. メタノールの燃料利用
2. メタノールの製造技術
3. 銅化合物/アルコキシド系触媒
4. ニッケル化合物/アルコキシド系触媒
5. 新規な低温メタノール合成触媒
第4章 FT合成およびワックス水素化分解における高性能触媒開発(関浩幸)
1. はじめに
2. 高性能FT合成触媒の開発
3. 高性能ワックス水素化分解触媒の開発
4. おわりに
第5章 バイオエタノールの製造工程とその省エネルギー(池田史郎,井上宗士,中根尭)
1. はじめに
2. ゼオライト膜
3. バイオエタノール製造工程
4. 省エネルギーの工夫
5. おわりに
第6章 グリセリンの水素化分解触媒の開発と反応機構(冨重圭一)
1. はじめに
2. バイオディーゼルとグリセリン
3. グリセリンの水素化分解反応
4. Ru触媒を用いたグリセリンの水素化分解反応
5. Ru/C+陽イオン交換樹脂Amberlystを触媒とするグリセリンの水素化分解反応
6. Rh触媒上のグリセリンの水素化反応
7. おわりに
第7章 触媒を用いたバイオアルコールを原料とするオレフィン類製造(稲葉仁)
1. はじめに
2. 種々のゼオライト担体を用いたエタノール変換
3. 種々の金属を担持したH-ZSM-5ゼオライト触媒によるエタノール変換
4. Fe担持H-ZSM-5型ゼオライト触媒によるエタノール変換
4.1 触媒の初期活性
4.2 活性の経時的変化と失活
4.3 反応機構
4.4 Fe担持量,反応温度の影響
4.5 バイオエタノールの変換
5. グリセロール変換反応
6. おわりに
第8章 SAPO-34を触媒とするエチレンまたはエタノールからの選択的プロピレン合成(馬場俊秀,稲津晃司,小山徹)
1. はじめに
2. 各種H+交換ゼオライトによるエチレンからのプロピレン合成
3. プロプレン選択率に及ぼすエチレン転化率の影響
4. 各種炭化水素収率に及ぼすエチレン転化率の影響
5. エタノール転化反応によるプロピレン合成
6. プロピレン収率に及ぼすエチレン消費率の影響
7. エタノール分圧がプロピレンの生成速度に及ぼす影響
8. SSZ-13によるエタノール転化反応
9. おわりに
第9章 油化技術―石油精製技術融合による廃プラスチックのフィードストックリサイクル(白鳥伸之,河西崇智)
1. はじめに
2. ジャパンエナジーの環境活動
3. フィードストックリサイクルの実現に向けた検討
4. おわりに
第10章 木質系原料からのバイオエタノール製造(奥崇)
1. はじめに
2. 木質系バイオマスの利用
3. 木質系原料からのエタノール製造技術
4. 今後の展望
第11章 水圏未利用植物を原料とするバイオエタノール製造(浦野直人,小川剛)
1. はじめに
2. 水圏バイオマス資源について
3. バイオマスの糖化
4. 酵母による糖化液のエタノール発酵
5. 還元糖の解析と各糖の資化発酵
6. バイオエタノール生産の今後
第12章 高バイオマス量サトウキビを原料とした砂糖・エタノール複合生産(小原聡,寺島義文)
1. はじめに
2. 高バイオマス量サトウキビの開発
3. 新しい砂糖・エタノール複合生産プロセス
3.1 従来プロセスの問題
3.2 新しいプロセスの提案
3.3 プロセスに適した高バイオマス量サトウキビの選抜
3.4 プロセスの効果
4. パイロットプラント実証試験
4.1 高バイオマス量サトウキビ栽培試験
4.2 砂糖・エタノール複合生産試験
4.3 E3ガソリン製造・利用試験
4.4 副産物総合利用試験
5. おわりに
第13章 セルロース系原料からのバイオエタノール製造技術の現状と展望(山田富明)
1. はじめに
2. わが国および海外のバイオマス原料事情
3. セルロース系バイオマスからのバイオエタノール製造技術
3.1 NRELプロセス
3.2 Iogenプロセス
3.3 NEDOプロセス
4. プロセスの経済性評価
4.1 プロセス設計の前提条件
4.2 建設費の積算
4.3 エタノール製造原価の試算
5. プロセスのエネルギー収支の検討
6. おわりに
第14章 バイオエタノール混合ガソリンによる自動車燃料適合性試験(塩谷仁,後藤新一)
1. はじめに
2. 燃料性状
3. 材料適合性
3.1 金属材料への適合性
3.2 高分子材料への適合性
4. 排出ガス特性
5. 燃料蒸発ガス排出特性
6. 車両性能および耐久性に及ぼす影響
7. おわりに
第15章 燃料用バイオエタノールの国内外規格(齋藤熹敬)
1. はじめに
2. ブラジルの燃料用エタノール規格
3. 米国の燃料用エタノール規格
4. アジア諸国の燃料エタノール規格
5. セルロース系原料から製造した燃料用エタノールの品質
6. 日本における燃料エタノール規格
7. おわりに
【 市場動向編 】(編集 シーエムシー出版 編集部)
第16章 エネルギー需給の動向と新エネルギー
1. エネルギー需給をめぐる動き
2. 新エネルギーの動向
3. バイオマスエネルギーの体系
<新旧エネルギーの動向と利用形態>
第17章 太陽光発電
1. 概要
1.1 太陽光発電システムの仕組みと原理
1.2 太陽電池の仕組みと原理
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第18章 太陽熱利用
1. 概要
1.1 太陽熱発電の仕組みと原理
1.2 太陽熱利用の仕組みと原理
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第19章 風力発電
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第20章 地熱発電
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第21章 地中熱利用
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第22章 雪氷熱利用
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第23章 中小水力発電
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第24章 海洋エネルギー
1. 概要
1.1 波力発電の仕組みと原理
1.2 海洋温度差発電の仕組みと原理
1.3 その他の発電方式
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第25章 バイオマス発電
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第26章 燃料電池
1. 概要
1.1 燃料電池の仕組みと原理
1.2 燃料電池の種類
1.3 バイオ電池
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第27章 二次電池
1. 概要
1.1 ニッケル水素電池の仕組みと原理
1.2 リチウムイオン電池
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・メーカー動向
第28章 キャパシター
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・市場動向
第29章 DME(ジメチルエーテル)
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第30章 化石燃料エネルギーの新動向
1. 新しい化石燃料エネルギーの開発動向
1.1 石炭ガス化複合発電
1.2 メタンハイグレード
1.3 オイルサンド
2. 市場・用途動向
2.1 石油
2.2 石炭
2.3 液化石油ガス(LPG)
2.4 液化天然ガス(LNG)
2.5 原子力
2.6 水力
3. 業界・企業動向
<供給側からみたバイオマスエネルギー>
第31章 農作物由来のバイオマスエネルギー
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第32章 農作物以外の栽培作物系バイオマスエネルギー
1. 概要(仕組みと原理)
2. 開発動向
2.1 栽培作物系由来のバイオマスの開発動向
2.2 木質系バイオマスの動向
2.3 水域系バイオマスの動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第33章 農林水産物系廃棄物バイオマスエネルギー
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第34章 一般廃棄物系バイオマスエネルギー
1. 概要
1.1 生ごみ・紙くず・食品廃棄物の活用
1.2 黒液の活用
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第35章 産業廃棄物系バイオマスエネルギー
1. 概要
1.1 メタノール合成
1.2 DME合成
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
<需要側からみたバイオマスエネルギー>
第36章 バイオエタノール
1. 概要
1.1 バイオエタノールの製造
1.2 バイオブタノールの製造
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第37章 バイオディーゼル(BDF)
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第38章 バイオ水素
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第39章 バイオメタン
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
第40章 バイオプラスチック
1. 概要
2. 開発動向
3. 市場・用途動向
4. 業界・企業動向
新エネルギー,バイオマス,エネルギー,技術,市場,動向,書籍,本