プロジェクターは会議やプレゼンテーションといったビジネスでの利用が中心であるが,「短焦点化」,「小型化」が進み,教育現場,ホームシアター,モバイルなどの用途でも市場拡大が期待される。
近年の動きを見てみても,デジタルサイネージへの利用,デジタルシネマ用プロジェクター,3D対応ホームシアター,携帯型プロジェクター,携帯機器内臓プロジェクターなど,ビジネス,ホーム,パーソナルと各用途で進化,採用が増加している。2010年のプロジェクターの市場規模は600万台を越えている。
このようにプロジェクターの用途は増えているがその方式は数種あり,用途毎に最適な方式が採用されている。中でも,いわゆる3LCD,DLP,LCOSと呼ばれるものが中心となっている。また,光源についてもランプ以外のLED,レーザーなどの採用が進んでおり,前述したようにビジネス利用以外の展開も今後伸びていくと予想される。
さて,上記のように市場拡大が予想されるプロジェクターにおいて,その市場を用途と構成部材を中心にアプローチしたのが本書である。
【第1編 プロジェクター総論】ではプロジェクターの各方式を概観し,主なプロジェクター,その構成要素を見た上で,小型,短焦点,3Dなど注目のプロジェクターについて述べた。
次に,【第2編 プロジェクター構成材料の市場】ではHTPSパネル,LCOSパネル,光源,レンズなど各構成材料について個別にその動向を明らかにした。
続いて,【第3編 プロジェクター用途別市場】ではビジネス利用,文教利用,ホームシアター用,短焦点プロジェクター,超小型プロジェクター(携帯型・携帯機器内臓表示部),医療・診断,デジタルサイネージ,デジタルシネマプロジェクターと用途別に市場・企業・開発動向を掲載した。
最後に主なプロジェクターの製造・販売メーカーを列挙し,【第4編 主な製造・販売メーカー動向】とした。
本書はプロジェクターの概要を掴んだ上で,用途別市場はもちろん構成材料の市場にまで言及し,主なメーカーについても紹介した,最新のプロジェクター市場情報を網羅した一冊となっている。プロジェクターに着目するメーカー各社の企画・開発ご担当者に情報収集活動の一助としてご一読をお勧めする。
「はじめに」より
液晶,HTPS,LCOS,MEMS,DLP,LED・レーザー,短焦点,小型・ピコ,デジタルサイネージ,3D,書籍,本