国内外,各分野での消費者の最新嗜好動向を紹介!香りの持つ機能性と可能性を解説!香料デザイナー製品企画者必携の一書!

次世代香粧品の「香り」開発と応用

商品概要
個数

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略称
香り
商品No
bk7357
発刊日
2011年12月01日(木)
ISBN
978-4-7813-0485-4
体裁
B5判,238ページ
価格
68,200円 (本体価格:62,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
シーエムシー出版
問い合わせ
(株)R&D支援センター TEL:03-5857-4811 MAIL:[email protected]
監修
丸山賢次
著者
丸山賢次   高砂香料工業(株) 上海高砂鑑臣香料有限公司 開発本部 本部長
大沢さとり  (株)パルファンサトリ 代表取締役;調香師
窪田正男   (株)カネボウ化粧品 スキンケア研究所 商品設計第4グループ グループ長
吉沢弘美   フレグランス・コンサルタント
藤本礼子   花王(株) 香料開発研究所 上席主任研究員;グループリーダー
綱川光男   (株)バスクリン 製品開発部 開発1グループ
一ノ瀬 昇   ライオン(株) 研究開発本部 調香技術センター 副主席研究員
野村竜志   エステー(株) R&D部門 研究グループ マネージャー
岡崎 渉   東洋大学 生命科学部 応用生物科学学科 教授
永友茂美   小林製薬(株) 日用品事業部 香り開発グループ 課長
江村 誠   高砂香料工業(株) 研究開発本部 部長
八木健司   高砂香料工業(株) 研究開発本部 主管
石田賢哉   高砂香料工業(株) 研究開発本部 部長
川上幸宏   高砂香料工業(株) 研究開発本部 分析技術研究所 所長
松尾弘幸   高砂香料工業(株) 日本香料工業会 IFRA特命委員,IFRA科学委員会委員 IFRAアジア;パシフィック技術委員会 IFRA/IOFI 職業安定健康環境委員会委員 GHSタスクフォース委員
関根基伸   高砂香料工業(株) マーケティング部 部長
小林千恵美  高砂香料工業(株) 研究開発本部 研究主任
発刊にあたって
 「香り」の開発とは新しい香料を作ることであるが,実際には製品との相性を考慮しない香料開発はあり得ない。異なるメーカーやブランドのシャンプー基材に同じ香料を賦香しても,決して同じシャンプーの「香り」にはならない。基材臭や基材の特性によって,同じ香料成分でも「香り」の立ち方,香り方は変わってしまう。つまり,製品の「香り」開発は,単に香料の処方を作成するだけでなく,その製品のコンセプト,基材,商品イメージに最も適した香料を開発することで,製品と一体となった香料デザインとその安定な生産と供給までを意味する。現在では「香り」の開発と応用は,安全性や安定性のみならず,完全に製品と一体化したものでなくてはならなくなった。
 製品における「香り」の役割は時代と共に変わってきたが,最近の傾向は「香り」本来の役割にスポットライトが当てられ,「香り」の重要性が見直され非常に望ましい方向になってきているといえる。以前の香料は単に基材のマスキングや賦香にその主体が置かれていたが,近年は抗菌性や消臭機能,さらにリラックス効果などの心理効果を持つ香料も開発され,「香り」だけでない付加価値を機能性香料がもてはやされてきた。機能を重視するがあまり,「香り」自体の質に疑問を感じる製品も見られた。しかしながら現在では,「香り」が主役となるファイン・フレグランスでなくとも製品における「香り」の主体性と存在感が大きくなってきており,「香り」の果たす役割やそれ自体が製品の売り上げに直接大きな影響を及ぼすようになってきた。日本人は元来,爽やかでライトな「香り」を好んできたが,今の柔軟剤の「香り」などは衣類に残る香料成分の消臭効果だけでなく「香り」そのものを楽しむ商品になってきている。また,ボディソープなど「香り」の違いだけでその製品のバリアントの差別化を行うも商品も非常に多くなってきた。
 本書は,近年から次世代への「香り」開発とその応用に関するトレンドの総論と,幅広いアプリケーションを網羅した各論からなる「香り」開発の専門書である。総論は国内のみならず,アジアを中心とした国外の流れにも言及して,今後の「香り」の方向性を示唆している。各論は,それぞれの製品における現在のトップ企業とその担当責任者により執筆されており,まさに最新の情報と現場の生の声が反映される内容となっている。こうした点から,本書が「香り」の開発者やその関係者にとって待望の書となることを期待したい。
本書「前書き」より
書籍の内容
総論 「香り」開発のトレンド
1 国内編  丸山賢次
  1.1 「香り」の方向性 =足し算の「香り」から楽しむ「香り」へ=
  1.2 日本市場の特性(現状と今後)
  1.3 アプリケーションへより特化した「香り」開発
  1.4 「「香り」の二極化
  1.5 香料の製剤化
  1.6 香料への規制と法規
  1.7 原料の削減
  1.8 「香り」開発のための組織
2 海外編
  2.1 試される日本のチカラ(東日本大震災[3.11]の及ぼす影響から)
  2.2 北米,ヨーロッパ,アジアの「香り」の違い
  2.3 北米,南米
  2.4 ヨーロッパ
  2.5 アジア(全体)
  2.6 中国
  2.7 日本の「香り」Global化の必要性とスピード化の促進
第1編 アプリケーション
第1章 フレグランス  大沢さとり
1 ファイン・フレグランスのマーケット
  1.1 データーから読む世界の動向
  1.2 売上比率からみる市場の将来性
  1.3 トレンドの中心だったフランスとアメリカ
  1.4 保守的な香りユーザー
2 次世代のファイン・フレグランスとは
  2.1 転換期にあるファイン・フレグランス
   2.1.1 世界のマーケットの栄枯盛衰
   2.1.2 「外」から起こる変革
   2.1.3 過去の市場調査の限界
  2.2 「感性」の重要性
   2.2.1 人ができる仕事
   2.2.2 思い出の背景
   2.2.3 開発の仕事
   2.2.4 幸福のトレンド
   2.2.5 未来の思い出を作る
  2.3 香りの多様性
   2.3.1 ファイン・フレグランスの概念
   2.3.2 香りの枠を広げる
   2.3.3 オーダー・メイド
   2.3.4 匂い立ちの構成の変化
   2.3.5 ベーシックな新規香料素材
  2.4 販路のアイデア
   2.4.1 香水の販売形態
   2.4.2 「香水ソムリエ」
  2.5 日本のマーケット
   2.5.1 成長の方向
   2.5.2 日本の嗜好
   2.5.3 気候と匂い立ちの差
  2.6 世界の中の日本
   2.6.1 日本的なものこそ国際的
3 ファインフレグランスの基本的な知識
第2章 コスメティック  窪田正男
1 コスメティックに求められる香りと香りの役割
  1.1 印象・嗜好性・市場競争力
  1.2 使用中の快適感,使用後の満足感
  1.3 製品価値の向上
  1.4 香りの持つ心理生理的機能
   1.4.1 アロマテラピー・アロマコロジー
   1.4.2 香りと自律神経系
   1.4.3 香りと免疫系
   1.4.4 香りと内分泌系
  1.5 香りのもつ薬理活性的機能
   1.5.1 抗菌消臭機能
   1.5.2 美白・美肌・育毛など美容機能
   1.5.3 ダイエット,睡眠など新たな香り機能
  1.6 確かな品質
2 コスメティックへの賦香
  2.1 基礎化粧品
  2.2 ボディ用化粧品
  2.3 メイクアップ化粧品
  2.4 頭皮用化粧品
3 ナチュラル志向とコスメティックの香り
  3.1 サステナブル意識の高まり
  3.2 自然派化粧品市場の成長
  3.3 チュラルな香りとは?
4 香りによるコスメティック製品のブランディングと新たなマーケティングについて
  4.1 香りとブランディング
  4.2 マーケティング焦点の変遷と今後の香り開発
第3章 シャンプー・コンディショナー用香料の開発トレンド  吉沢弘美
1 はじめに
2 シャンプー・コンディショナーにおける香りの役割
  2.1 シャンプーの香りに課せられた新しい役割
  2.2 コンディショナー・トリートメントの香り
3 "日本の"シャンプーの香り
  3.1 欧米との比較
  3.2 アジア内における比較
4 グローバルブランドの香り
5 消費者・市場理解と香料開発への応用
  5.1 消費者をよりよく理解するために
  5.2 世界視野で市場を理解する
6 グローバルな視点での香料開発
7 新しさの予測と追及
第4章 パーソナルウォッシュ  藤本礼子
1 はじめに
2 石鹸
  2.1 日本の石鹸市場
  2.2 石鹸基剤
  2.3 石鹸の製品と香りの変遷
  2.4 石鹸の香りの開発と応用
3 ボディソープ
  3.1 日本のボディソープ市場
  3.2 ボディソープ基剤
  3.3 ボディソープの製品と香りの動向
  3.4 ボディソープの香りの開発と応用
4 洗顔料
  4.1 日本の洗顔料市場
  4.2 洗顔料基剤
  4.3 洗顔料の製品と香りの動向
  4.4 洗顔料の香りの開発と応用
第5章 浴用剤  綱川光男
1 入浴
  1.1 歴史
  1.2 効果
2 浴用剤
3 浴用剤の現状
  3.1 粉体
  3.2 錠剤
  3.3 液体
  3.4 粒状
4 浴用剤への期待
  4.1 温熱効果
  4.2 疲労回復効果
  4.3 「香りがよい」
  4.4 今後への展開 ―睡眠・抗不安作用・健康―
第6章 ファブリックケア  一ノ瀬 昇
1 はじめに
2 衣料用洗剤
  2.1 粉末洗剤の組成
   2.1.1 粉末洗剤の多様化と香りの役割
   2.1.2 粉末洗剤香料の留意点
   2.1.3 粉末洗剤の香りを洗濯後の衣類に残す技術
   2.1.4 粉末洗剤香料の展望
  2.2 液体洗剤
   2.2.1 液体洗剤の組成
   2.2.2 液体洗剤の多様化と香りの役割
   2.2.3 液体洗剤香料の留意点
   2.2.4 液体洗剤の香りを洗濯後の衣類に残す技術
   2.2.5 液体洗剤香料の展望
3 柔軟剤
  3.1 柔軟剤の組成
  3.2 柔軟剤の多様化と香料の役割
  3.3 柔軟剤の香りを残す技術
  3.4 柔軟剤香料の留意点
  3.5 柔軟剤香料の展望
4 ファブリック製品香料の環境負荷の低減
5 おわりに
第7章 エアケア  野村竜志
1 はじめに
2 芳香剤,消臭剤(トイレ用,部屋用)
  2.1 剤型による設計
   2.1.1 含浸タイプ
   2.1.2 ゲルタイプ
   2.1.3 液体タイプ
   2.1.4 メンブレンタイプ
   2.1.5 スプレータイプ(エアゾール,ハンドスプレー)
   2.1.6 電子式
  2.2 香料(香り)の設計
3 車用
  3.1 技術的特長
  3.2 製品分類と傾向
  3.3 香りの傾向
4 おわりに
第2編 機能と製品への応用
第8章 抗菌性とその評価  岡崎 渉
1 はじめに
2 香料の抗菌性評価法
  2.1 蒸気法
  2.2 溶液法
  2.3 保存効力試験法(日局など公定法)
  2.4 セパラブルフラスコを用いる方法
  2.5 固体試料および希釈
3 精油およびその構成成分の抗菌性
  3.1 試料
  3.2 供試菌株
  3.3 精油の構成成分による影響
  3.4 微生物の起源による抗菌性の差
  3.5 香料のd-体とl-体
4 セパラブルフラスコを用いる試験法の応用
5 香料の抗菌性と製品開発
6 まとめ
第9章 消臭  永友茂美
1 はじめに
2 家庭内の消臭ニーズの変化
  2.1 トイレの消臭ニーズの変化
  2.2 お部屋の消臭ニーズの変化
  2.3 家庭用芳香消臭剤の市場規模について
3 消臭香料の開発と製品への応用
  3.1 脱臭・消臭技術の概要
  3.2 悪臭の測定と評価
  3.3 新しい評価
4 消臭香料の開発と製品への応用
  4.1 生活臭の分析
  4.2 香りによる生活臭対策
5 おわりに
第10章 生理的・心理的効果  江村 誠
1 はじめに
2 気分へ対する影響
3 脳機能への影響
  3.1 脳機能計測法
  3.2 香りの脳機能への影響
4 自律神経への影響
  4.1 自律神経系活動
  4.2 自律神経活動を用いた香りの効果の研究
  4.3 タイプ別コーヒーフレーバーの影響
5 内分泌系への影響
  5.1 内分泌系
  5.2 内分泌活動を用いた研究方法
  5.3 ストレス研究への応用例
  5.4 睡眠研究への応用例
6 免疫系への影響
7 おわりに
第11章 冷感・温感  八木健司,石田賢哉
1 はじめに
2 冷感剤と温感剤
  2.1 冷感剤とは
  2.2 構造別分類
  2.3 温感剤とは
  2.4 冷感・温感作用のしくみ
3 製品への応用
  3.1 冷感・温感作用の増強効果
  3.2 冷感・温感作用以外の応用方法
第3編 分析・評価・素材開発
第12章 香気成分分析  川上幸宏
1 香料分析
  1.1 香料の基礎知識
  1.2 前処理方法
   1.2.1 試料・器具・試薬
   1.2.2 蒸留法
   1.2.3 溶媒抽出法
   1.2.4 固相抽出(Solid Phase Extraction; SPE)法
   1.2.5 固相マイクロ抽出(Solid Phase Micro Extraction; SPME)法
   1.2.6 スターバー抽出(Stir Bar Sorptive Extraction; SBSE)法
   1.2.7 ヘッドスペース(Headspace; HS)法
   1.2.8 香気成分の濃縮法
  1.3 機器分析;ガスクロマトグラフィー
   1.3.1 注入口
   1.3.2 分離カラム
   1.3.3 検出器
  1.4 成分同定
  1.5 香気成分の詳細解析手法
   1.5.1 匂い嗅ぎGC(GC/Olfactometry; GC/OまたはSniffing GC)
   1.5.2 マルチディメンショナルGC(Multi-Dimensional GC;MDGC)
   1.5.3 包括的二次元GC(Comprehensive GCxGC)
   1.5.4 成分単離と構造決定
2 製品の香気成分分析
3 おわりに
第13章 安全性と各種規制  松尾弘幸
1 はじめに
  1.1 香粧品香料(フレグランス)の様々な用途
  1.2 国内の用途別規制
2 IFRA/RIFM及び業界規制
  2.1 IFRA(イフラ)とRIFM(リフム)
  2.2 リスク評価とIFRA実施要綱
   2.2.1 RIFMにおけるリスク評価およびサイエンスプログラム
   2.2.2 各国におけるIFRA規制の取り込み
  2.3 IFRAスタンダード
   2.3.1 皮膚感作性:QRA(Quantitative Risk Assessment,定量的リスク評価)
   2.3.2 光毒性
   2.3.3 全身毒性
   2.3.4 クラス
   2.3.5 環境規制
   2.3.6 歯磨き・マウスウォッシュ用香料
   2.3.7 食品用香料の適用
   2.3.8 IFRAコンプライアンスプログラム
3 世界の化学物質規制など
  3.1 概況
  3.2 化審法と問題点
  3.3 EU
  3.4 中国・台湾
  3.5 韓国
  3.6 ASEAN
  3.7 米国
  3.8 GHS
  3.9 ワシントン条約(CITES)
第14章 評価・消費者調査  関根基伸,小林千恵美
1 はじめに
2 評価
  2.1 香調表現
  2.2 香りを適切に評価するための知識
  2.3 香りの評価選別
  2.4 顧客を理解する
  2.5 市場・消費者を理解する
3 マーケティングリサーチ
  3.1 調査手法
   3.1.1 CLT(会場テスト・セントラルロケーションテスト)
   3.1.2 HUT(ホームユーステスト)
   3.1.3 フォーカスグループインタビュー
   3.1.4 インデプスインタビュー
   3.1.5 エスノグラフィーリサーチ
  3.2 ニューロ・マーケティング
第15章 素材開発と香料の安定性  丸山賢次
1 素材開発
  1.1 天然原料
   1.1.1 現状と環境
   1.1.2 新しいトレンド
   1.1.3 中国の天然香料
   1.1.4 今後の方向性
  1.2 アロマケミカル
   1.2.1 現状
   1.2.2 新規アロマケミカルの方向性
  1.3 Sub Base
   1.3.1 Sub Baseの今後
  1.4 機能性素材
   1.4.1 冷感剤,温感剤
   1.4.2 忌避・誘引剤
   1.4.3 化粧品向け素材
2 香料の安定性
  2.1 製品に及ぼす香料の影響
  2.2 製品中での香料の安定性
   2.2.1 ヘア・カラーとパーマ剤
   2.2.2 ブリーチ
キーワード
海外のマーケット,マスキング,消臭,芳香,使用感,冷・温感,疲労回復,抗菌,脳機能,ストレス,アロマケミカル,書籍,本
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