耐熱性、耐候性、耐薬品性、難燃性、摺動性、絶縁性、非粘着性など優れた特性を有するフッ素樹脂!合成などの開発動向、多方面で進む用途展開、そしてリサイクル技術や生分解性まで、フッ素樹脂の最新動向を完全網羅!

フッ素樹脂の最新動向
Current Research Trends of Fluoropolymers

商品概要
個数

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略称
フッ素樹脂
商品No
bk7431
発刊日
2013年04月04日(木)
ISBN
978-4-7813-0795-4
体裁
B5版、229ページ
価格
70,400円 (本体価格:64,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
シーエムシー出版
問い合わせ
(株)R&D支援センター TEL:03-5857-4811 MAIL:[email protected]
監修
澤田英夫
著者
澤田英夫   弘前大学大学院 理工学研究科 教授
成田正   埼玉工業大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 名誉教授
吉田正人   島根大学 医学部 教授
飯塚真理   島根大学 医学部 教務職員
齋藤禎也   弘前大学大学院 理工学研究科
井戸向さつき   弘前大学大学院 理工学研究科
矢嶋尊   大陽日酸(株) 開発・エンジニアリング本部 山梨研究所 材料研究室 ナノカーボン材料PJ 用途開発グループリーダー
増田祥   旭硝子(株) 化学品カンパニー 技術統括本部 開発部 主幹
大島明博   大阪大学 産業科学研究所 特任准教授
稲木信介   東京工業大学 大学院総合理工学研究科 講師
淵上寿雄   東京工業大学 大学院理工学研究科 特命教授
白川大祐   旭硝子(株) 化学品カンパニー 戦略企画室 技術企画Gr. 主幹
石関健二   旭硝子(株) 化学品カンパニー 事業統括本部 開発部 主幹
森田正道   ダイキン工業(株) 化学研究開発センター 主任研究員
井田政宏   ニチアス(株) 工業製品事業本部 配管・機器部品技術開発部 ふっ素製品技術開発課 課長
中島陽司   旭硝子(株) 中央研究所 ガラス化学境界領域技術G 分析科学技術F 主席研究員
堀久男   神奈川大学 理学部 化学科 教授
藤森厚裕   埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授
清水道晃   日立電線(株) 電機・自動車部品事業本部 自動車部品事業部 技術部 部長
佐久間充康   (株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン 電池材料技術センター 技術チームリーダー
三宅直人   旭化成イーマテリアルズ(株) 新事業開発総部 燃料電池材料事業推進部 部長
白鳥世明   慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 准教授
中西智昭   日本フッソ工業(株) 営業技術部
佐藤勝之   ユニマテック(株) 技術部 技術部副部長 兼 技術二課長
森澤義富   旭硝子(株) 中央研究所 特別研究員
大久保篤   中興化成工業(株) 開発本部 基礎技術開発部 部長
道本忠憲   日東電工(株) 基盤機能材料事業部門 構造材料事業部 開発部 耐熱グループ長
発刊にあたって
 1930年代に米国デュポン社により開発されたポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素ポリマーは、現在の化学産業の発展に大いに貢献し、我々の生活の利便性を向上させている。これら一連のフッ素ポリマーの中でも、同じデュポン社により1960年代に開発されたスルホ基を有するフッ素樹脂イオン交換膜 (Nafion®)は食塩電解用イオン交換膜としての使用が可能となったものの、この膜のみでは電流効率が低く実用上問題があった。そこで、1970年代に国内のフッ素メーカによりカルボキシル基をイオン交換基とするフッ素系イオン交換膜ポリマーが世界で初めて合成され、現在ではベースポリマーをスルホ基を有するフッ素系イオン交換膜とし、陰極側にカルボキシル基を有するフッ素系ポリマー膜を配したイオン交換膜が主体となっており、世界に先駆けて水銀を使わないイオン交換膜法による苛性ソーダ製造技術を国内で開発させた点は特筆に値すべきである。最近においては Nafion®さらには国内で開発されたフッ素系高分子膜:Flemion®、Aciplex®などはまた、固体高分子型燃料電池へ展開されており、今後、フッ素ポリマーのますますの発展が大いに期待されている。
 このように飛躍的な市場展開が図られているフッ素樹脂ではあるが、1999年にポリテトラフルオロエチレン製造時に使用されているペルフルオロオクタン酸(PFOA)さらにはペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は難分解性で、残留性や生物蓄積性が指摘されるようになった。さらに、フッ素樹脂は炭化水素系樹脂と異なり、耐熱性、耐薬品性などに優れているため、リサイクル技術開発が困難であるなどの問題が指摘されてきており、特に不用となったフッ素樹脂は年々増加している状況にある。従って、我々の生活に密着した材料であるフッ素樹脂は、今後、安全性、さらには環境に配慮した材料設計が必要であり、これら材料設計に基づいて開発された材料の新たなる機能創成が重要となる。そこで、本書では、このような内容に関連したフッ素樹脂の最新の動向にフォーカスを合わせ各章が構成されている。具体的にはフッ素樹脂の合成を含めた最新の開発動向さらにはその応用展開がそれぞれ明確に述べられている。特に本書ではフッ素樹脂の分解・再資源化(リサイクル)さらには生分解性にも言及しており、これらの項目を含め読者の皆様に有意義な情報を数多く提供できるものと確信している。
2013年4月
澤田英夫
書籍の内容
【開発動向】

第1章 重付加反応による新しいタイプのフッ素ポリマーの合成 成田正
1 はじめに
2 ラジカル重付加反応による新しいタイプのフッ素ポリマーの合成
3 アニオン重付加反応による新しいタイプのフッ素ポリマーの合成
4 おわりに

第2章 新規含フッ素テロマーの合成:フルオロアルキル基含有スチレンダイマー類の合成と性質 吉田正人,飯塚真理
1 はじめに
2 フルオロアルキル基含有スチレンダイマー類の合成と性質

第3章 含フッ素オリゴマー/無機ナノコンポジット類の開発とその機能発現 齋藤禎也,井戸向さつき,澤田英夫
1 はじめに
2 フルオロアルキル基含有オリゴマー/シリカナノコンポジット類の調製と機能発現
3 フルオロアルキル基含有オリゴマー/炭酸カルシウムナノコンポジット類の調製と耐熱性
4 おわりに

第4章 高配向カーボンナノチューブを用いた導電性フッ素樹脂の作製技術  矢嶋尊
1 はじめに
2 樹脂添加材としての高配向CNTの特徴
3 導電性樹脂作製に適した加工法とは
4 導電性フッ素樹脂の作製プロセス(概略)
4.1 第1工程;CNT分散液作製工程
4.2 第2工程;溶媒のエタノール転換工程
4.3 第3工程;フッ素樹脂の添加・混合工程
4.4 第4工程;超臨界炭酸処理工程
4.5 第5工程;乾燥・粉末回収工程
5 CNT分散液作製(第1工程詳細)
6 溶媒のエタノール転換工程(第2,3工程詳細)
7 超臨界炭酸処理(第4,5工程詳細)
8 混合スラリーの乾燥・回収(第6工程詳細)
9 導電性フッ素樹脂の性能評価
10 導電性ICトレイの作製
11 まとめ

第5章 流れ性,塗膜物性を向上した粉体塗料用フッ素樹脂 増田祥
1 はじめに
2 粉体塗料用樹脂に求められる特性
3 粉体塗料樹脂のレオロジー
4 熱硬化粉体塗料用フッ素樹脂の構造設計
5 初期開発熱硬化粉体塗料用フッ素樹脂と新規開発品について

第6章 量子ビームを用いた各種フッ素樹脂の微細加工 大島明博
1 はじめに
2 放射光(SR光)によるマイクロスケール微細加工
3 イオンビームによるナノスケール微細加工
4 TRafプロセスによる微細加工
5 まとめと今後の展望

第7章 電解法による共役系高分子のフッ素化 稲木信介,淵上寿雄
1 はじめに
2 共役系高分子の電解フッ素化
2.1 選択的電解フッ素化
2.2 高分子電解反応
2.3 共役系高分子の電解フッ素化
3 CRS法によるポリアニリンのフッ素化
4 共役系高分子膜の傾斜的表面修飾
4.1 バイポーラ電気化学
4.2 バイポーラ電極上での傾斜的エレクトロクリック反応
5 おわりに

第8章 パーフルオロポリエーテルの合成と応用 白川大祐,石関健二
1 パーフルオロポリエーテルとは
2 フッ素オイルの種類と特徴
3 パーフルオロポリエーテルの製造法
3.1 光酸化重合
3.2 開環重合
4 パーフルオロポリエーテルの問題点
5 パーフルオロポリエーテルの用途例
6 ハードディスクドライブにおける官能基含有PFPEの使用例
7 おわりに

第9章 フルオロアクリレートホモポリマーの動的撥液性 森田正道
1 はじめに
2 撥液性の評価方法
3 転落角
4 転落速度(静置法)
5 転落速度(着弾法)
6 おわりに

第10章 架橋フッ素樹脂コーティング技術とその応用 大島明博
1 はじめに
2 架橋フッ素系樹脂
3 架橋フッ素系樹脂コーティング
4 架橋フッ素樹脂コーティング技術の応用
5 おわりに

第11章 PFAライニング配管の寿命診断 井田政宏
1 はじめに
2 ライニングとは
3 PFAとは
4 PFAライニング配管の特徴・用途
5 PFAライニング配管の劣化・損傷形態
5.1 クラック・クレーズ
5.2 ブリスター
5.3 絶縁破壊・ピンホール
5.4 変形・座屈
5.5 その他
5.5.1 外装管腐食
5.5.2 ライニングフレアー面のキズ・亀裂・変形
5.5.3 異物堆積
5.5.4 磨耗減肉(エロージョン)
6 PFAライニングの調査手順
6.1 外観観察
6.2 気密試験・ピンホール検査
6.3 解体・観察
6.4 物性評価
6.5 総合評価
7 寿命診断への取組み
7.1 目的
7.2 寿命診断手順
7.3 寿命診断基準
8 透過
8.1 透過について
8.2 透過対策
9 まとめ

第12章 フッ素系ポリマーの分離分析技術 中島陽司
1 はじめに
2 フッ素系ポリマーの溶解
3 フッ素系溶媒のポリマー溶解性
4 フッ素系ポリマーの液体クロマトグラフィー
5 フッ素系ポリマーの質量分析
6 おわりに

第13章 機能性有機フッ素化合物の分解反応の開発 堀久男
1 はじめに
2 鉄粉+熱水を用いたPFAS類の還元分解
3 ヘテロポリ酸を用いたPFCA類の光触媒分解
4 ペルオキソ二硫酸イオンを用いたPFCA類の光酸化分解
5 ペルオキソ二硫酸イオンを用いたPFCA類の温水分解
6 PFOA代替物質:H-PFCA類の分解
7 PFOS代替物質:PFAES類の分解
8 フッ素系イオン交換膜の分解・無機化反応
9 おわりに

【応用展開】
第14章 “結晶性”フッ素系共重合体による耐熱性透明材料の創製 藤森厚裕
1 はじめに
2 試料と測定方法
3 フッ素系共重合体光伝送材料の構造―機能相関
4 固定熱処理と自由収縮処理の影響
5 おわりに

第15章 ハイブリッド電気自動車に使用されるフッ素系材料 清水道晃
1 はじめに
2 HEVへの応用
2.1 オイルポンプ内配線材
2.2 モーター内部配線材
2.3 電源用ハーネス
3 おわりに

第16章 フッ化ビニリデン系樹脂の応用:リチウムイオン二次電池電極用バインダー 佐久間充康
1 はじめに
2 リチウムイオン二次電池と電極用バインダーについて
2.1 リチウムイオン二次電池(LIB)
2.2 電極の構造
2.3 バインダーの役割
2.4 電池用バインダーの種類
3 「クレハKFポリマー」とバインダーグレードの概要
4 PVDFの性質~バインダーとしての特徴~
4.1 PVDFの構造
4.2 化学的性質
4.3 電気化学特性と分子軌道計算
5 PVDFバインダーのグレード種類と性能
5.1 標準バインダー
5.2 高接着バインダー⑴:超高分子量タイプ
5.3 高接着バインダー⑵:変性タイプ
5.4 柔軟性バインダー
5.4.1 VDF系コポリマー:W#7500
5.4.2 フッ素系ゴム(試作品)
5.4.3 コア・シェル型ポリマー(試作品)
6 バインダーの結着メカニズム
6.1 結着状態の観察
6.2 バインダー分布状態の観察
7 今後

第17章 フッ素系電解質材料の高性能化と高耐久化 三宅直人
1 固体高分子形燃料電池について
2 フッ素系電解質膜について
3 フッ素系電解質膜の課題
4 旭化成イーマテリアルズにおける取り組み

第18章 フッ素修飾ナノ粒子による超撥水・高撥油コーティング 白鳥世明
1 はじめに
2 超撥水・撥油表面
3 コーティング溶液の作製方法
4 液体表面張力の調整
5 濡れ性の評価
5.1 水・エタノール混合溶液に対する接触角・転落角測定結果
5.2 油に対する濡れ性の評価
6 まとめ

第19章 フッ素樹脂焼き付けコーティングおよびライニング 中西智昭
1 はじめに
2 非粘着・離型用途のコーティング
2.1 用途
2.2 皮膜構成
2.3 コーティング方法
2.4 プライマー
3 耐食ライニング
3.1 耐食性とは
3.2 浸透現象
3.3 皮膜構成
3.4 用途
4 ロトライニング
5 高純度ライニング
6 帯電防止コーティング・ライニング
6.1 帯電防止の考え方
6.2 非粘着・離型性コーティングでの帯電性の確認
6.3 耐食ライニングでの帯電性の確認
6.4 静電気災害の予防
7 剥離帯電防止コーティング
7.1 剥離帯電防止の考え方
7.2 対策
7.3 効果
8 さいごに

第20章 生分解性フッ素テロマー化合物を用いた表面処理剤 佐藤勝之
1 フッ素テロマー
1.1 はじめに
1.2 フッ素テロマー合成
1.3 フッ素テロマーの環境への影響
2 生分解性フッ素テロマー化合物
2.1 設計と合成
2.2 従来テロマーとの物性比較
2.3 生分解性評価
3 表面処理剤への応用
3.1 繊維処理向け撥水撥油剤
3.2 防汚処理剤
3.3 固体表面処理向け撥水撥油剤
4 おわりに

第21章 環境発電のためのフッ素系ポリマーを用いた高性能エレクトレット膜 森澤義富
1 環境発電と材料
2 エレクトレットとその材料
3 エレクトレットを用いた振動発電
4 エレクトレット材料としてのCYTOPTM
5 まとめ

第22章 フッ素樹脂含浸ファブリック 大久保篤
1 はじめに
2 フッ素樹脂原料
2.1 PTFEディスパージョン
2.2 その他のディスパージョン
3 繊維織布材料
3.1 ガラス繊維織布
3.2 その他の織布
4 PTFE含浸ファブリックの加工工程
4.1 含浸
4.2 乾燥・焼結
4.3 織布のハンドリング
4.4 含浸工程
5 フッ素樹脂含浸ファブリックの用途

第23章 フッ素樹脂粘着テープ 道本忠憲
1 概要
1.1 支持体フィルム
1.1.1 PTFE切削フィルム
1.1.2 PTFE圧延フィルム
1.1.3 PTFEコーティングフィルム
1.2 表面接着処理
1.3 粘着剤
2 フッ素樹脂粘着テープの用途
2.1 耐熱用途例―耐熱性,非粘着性利用
2.2 難接着性被着体への接着例―薄膜・滑り性・難燃性利用
2.3 その他シリコーン粘着剤以外の使用例―柔軟性・寸法安定性,シリコーンフリー利用
3 最近の動向
キーワード
含フッ素ポリマー,フッ素テロマー,フルオロアルキル基,撥水・撥油,微細加工,分離・分析,リサイクル,生分解性,コーティング,ライニング,ファブリック,粉体塗料,フッ素オイル,粘着テープ,ハイブリッド電気自動車,リチウムイオン電池,燃料電池,PTFE,PVDF,PFA,FEP,ETFE,書籍
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