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1.次世代バイオプラスチックとしてのポリ乳酸
1-1 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
(1) 石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
(2) 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
(3) 生分解性バイオマスプラへのパラダイムシフト
1-2 ポリ乳酸の基本特性
(1) 熱可塑性脂肪族ポリエステル…結晶性高分子(Tm:130~190℃、Tg:58℃)
(2) 安全性、食品衛生性、抗菌・防カビ性
(3) 環境低負荷特性…LCAによる客観的・定量的評価
(4) 生分解性バイオマスプラ
[1]生分解機構…非酵素分解(加水分解)型
・2段階2様式の特異的な生分解機構…生分解性と耐久性の両立
・分解(開始・速度)制御機構内包…短期使用から長期耐久性構造材料まで
[2]自然環境(土壌、海水・淡水)下での完全生分解性
[3]使用後の再資源化(リサイクル)
・バイオリサイクル…堆肥化(好気性下)又は生ごみ発電(嫌気性下)
・ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの還元
・マテリアルリサイクル
2.耐衝撃性改良剤の選択と配合設計
2-1 耐衝撃性改良剤の分類と作用機序
(1) タイプA 可塑剤
(2) タイプB ブロック共重合体、高分子界面活性剤
2-2 タイプAが内包する問題点
(1) 主剤ポリマーの基本特性(強度、弾性率、Tg)の低下、喪失
(2) 成形品の室温放置下(二次結晶化)における物性並びに形状の経時変化
2-3 タイプB(本命)…主剤ポリマーの基本特性維持
2-4 ポリ乳酸成形品の耐衝撃性の現状到達レベル
(1) 電気・電子機器筐体、部品…9.6 kJ/cm2(シャルピー衝撃強度)
(2) シート成形品…落球法(100gの重りを50㎝の高さから)
3.結晶化促進剤の選択と配合設計
3-1 ポリ乳酸の結晶化挙動の解析
(1) 高分子の古典的結晶化理論
(2) 成形加工工程における結晶化の分類
[1]Melt Crystallization ② Cold Crystallization
(3) DSCによる等温結晶化挙動の解析…結晶化速度パラメータの算出
3-2 ポリ乳酸の結晶化速度に影響を及ぼす因子
(1) 一次構造…PLAのD体共重合比XD(%D)
(2) 分子量
(3) 造核剤や結晶化促進剤(架橋剤、可塑剤、マルチ機能改質剤)→後述
3-3 結晶化速度が遅い場合に顕在化する問題点
(1) 耐熱性
(2) 寸法安定性(熱収縮率、経時変化)
(3) 成形加工性(成形サイクル)
3-3 結晶化促進剤の分類
(1) 造核剤…結晶核形成促進作用
・固体分散型 ・溶解型(透明耐熱性) ・架橋剤
(2) 結晶成長促進剤
(3) マルチ機能改質剤…結晶核形成と結晶成長促進(後述)
3-4 成形加工分野別結晶化促進剤の選択指針…成形時の溶融張力必要性の有無
3-5 ポリ乳酸成形品の耐熱性の現状到達レベル
(1) 電気・電子機器筐体、部品…低荷重下(0.45MPa)150 ℃
(2) 電子レンジ加熱可能…120~130℃ x 5分
(3) 熱湯注入可能…95~100℃
4.マルチ機能改質剤の分子設計と作用機構
4-1 ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)…高分子界面活性剤
4-2 PGFEの分子設計…重合度、エステル化度、脂肪酸C数
4-3 マルチ機能改質剤(PGFE)としての作用機構
(1) 結晶化促進剤…結晶核形成(造核)と結晶成長の双方に効果的
(3) 耐衝撃性改良剤…耐熱性と耐衝撃性の同時改良
(4) 流動性改良剤…薄肉射出成形
5.ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
5-1 成形加工性の物理的意味と支配的因子
(1) 溶融押出過程…溶融粘度、溶融張力の分子量依存性
(2) 冷却固化過程…Tg又は結晶化速度(冷却速度、変形速度依存性)
5-2 成形加工性改良剤
(1) 溶融粘度、溶融張力調整剤
(2) 結晶化促進剤…造核剤、可塑剤、高分子界面活性剤
5-3 成形加工法…押出成形、射出成形、真空・圧空成形、発泡成形、ブロー成形
5-4 ポリ乳酸製品・市場開発動向…豊富な製品写真で紹介
(1) 農林・園芸・土木・水産資材
(2) 食品容器・包装資材(短期使用・使い捨て材料)
(3) 生活雑貨
(4) 産業資材(長期耐久性構造材料)
【質疑応答】