ほぼすべての生物に備わり,様々な生理現象をコントロールしている“体内時計”!体内時計の産業応用に焦点を当てた初の書籍!医薬・食品・香粧品・農業・照明・スポーツ・公衆衛生など,様々な分野への応用を一挙紹介!

体内時計の科学と産業応用

商品概要
個数

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略称
体内時計
商品No
bk7308
発刊日
2011年05月01日(日)
ISBN
978-4-7813-0340-6
体裁
B5判,253ページ
価格
72,600円 (本体価格:66,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
シーエムシー出版
問い合わせ
(株)R&D支援センター TEL:03-5857-4811 MAIL:[email protected]
監修
柴田重信
著者
柴田重信   早稲田大学 先進理工学部 教授  
小松梨恵   京都大学大学院 薬学研究科 医薬創成情報科学講座 システムバイオロジー分野 研究員 
岡村 均   京都大学大学院 薬学研究科 医薬創成情報科学講座 システムバイオロジー分野 教授
山仲勇二郎  北海道大学大学院 医学研究科 生理学講座 時間生理学分野 助教 
本間さと   北海道大学大学院 医学研究科 生理学講座 時間生理学分野:連携研究センター 光バイオイメージング部門 先端的光イメージング研究拠点 教授 
大川匡子   滋賀医科大学 睡眠学講座 特任教授
大戸茂弘   九州大学 大学院薬学研究院 薬剤学 教授 
渡邊真平   東北大学病院 周産母子センター 特任助教
太田英伸   東北大学病院 周産母子センター 講師;(独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 知的障害研究部 診断研究室長
三島和夫   (独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理研究部 部長
藤村昭夫   自治医科大学 医学部 臨床薬理学 教授
藤 秀人   富山大学大学院 医学薬学研究部(薬学) 医療薬学研究室 教授
大石勝隆   (独)産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 生物時計研究グループ グループ長
平尾彰子   早稲田大学大学院 先進理工学研究科 電気・情報生命専攻 博士課程2年/日本学術振興会特別研究員(DC1)
佐藤(三戸)夏子  麻布大学 生命・環境科学部 食品生命科学科 准教授
岩田宏之   アイエスピー・ジャパン(株) 化粧品・オーラル事業部 化粧品・オーラル事業本部長
浜田俊幸   北海道大学大学院 医学研究科 連携研究センター 光バイオイメージング部門(先端的光イメージング研究拠点) 特任講師 
本間研一   北海道大学大学院 医学研究科 連携研究センター 光バイオイメージング部門(先端的光イメージング研究拠点) 特任教授
井澤 毅   (独)農業生物資源研究所 植物科学研究領域 植物生産生理機能研究ユニット 上級研究員
福田弘和   大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 助教 
吉村 崇   名古屋大学 大学院生命農学研究科 教授 
飯郷雅之   宇都宮大学 農学部 准教授
野口公喜   パナソニック電工(株) 照明綜合技術センター 課長
樋口祥明   (株)竹中工務店 環境・エネルギー本部 本部長 
石川敦雄   (株)竹中工務店 技術研究所 企画部 課長代理 
中村亜紀   びわこ成蹊スポーツ大学 競技スポーツ学科 講師 
加藤秀夫   県立広島大学 人間文化学部 健康科学科 教授 
内田 直   早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授
三池輝久   兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター センター長 
原田哲夫   高知大学 教育研究部 人文社会科学系 教育学部門 教授 
竹内日登美  高知大学 教育学部 環境生理学研究室 研究員 
久保達彦   産業医科大学 医学部 公衆衛生学 講師 
柏木香保里  (財)大阪バイオサイエンス研究所 分子行動生物学部門 特別プロジェクト研究員 
裏出良博   (財)大阪バイオサイエンス研究所 分子行動生物学部門 研究部長 
南 陽一   (独)理化学研究所 研究戦略会議 研究政策企画員 
粕川雄也   (独)理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 機能ゲノミクスユニット 
明石 真   山口大学 時間学研究所 時間生物学研究室 教授
発刊にあたって
治療には,薬物治療と体内時計を結びつけた時間薬理学が実践されるようになってきた。食事や栄養そのものが体内時計に働きかけること,また,栄養の吸収・分布・代謝・排泄といったプロセスにも体内時計が関わることが分かり,時間栄養学という学問が定着した。交代勤務の健康や労働災害防止に対する体内時計の視点が考慮され始めた。畜産の効率化,養殖魚の維持管理や植物の開花・結実などに体内時計の知識を応用することが試みられてきた。光の波長特性を変えることにより体内時計に優しい住環境における光照明が開発されつつある。
 体内時計は基礎的研究,応用研究を積み重ねながら,さらにそれを産業に結び付ける段階に来ていると思われる。したがって,本書の内容は体内時計を利用した産業育成に役立つものと確信している。
(「はじめに」より一部抜粋,改変)
書籍の内容
【第1編 総論】

第1章 体内時計の分子機構(小松梨恵,岡村 均)

1 はじめに

2 時間の発生と細胞時計

3 数兆個の細胞時計を統括する脳の時計

4 眼からの光が生体リズムを同調させる

5 明るい夜と時計遺伝子

6 視交叉上核からの時の出力:自律神経シグナルと内分泌シグナル

7 細胞時計の異常と疾病

8 おわりに

第2章 体内時計の生理機能(山仲勇二郎,本間さと)

1 はじめに

2 フリーランリズム

3 リズム同調

 3.1 光同調

 3.2 非光同調

4 体内時計の階層的多振動体機構

5 ヒトの体内時計

 5.1 内的脱同調

6 おわりに

第3章 睡眠障害とは~概日リズム睡眠障害を中心として~(大川匡子)

1 はじめに

2 睡眠をコントロールする

2つの機構

3 臨床場面における最近の睡眠障害の傾向

4 生体時計のメカニズム

5 CRSDの成因

6 今後の方向性

【第2編 医薬】

第4章 体内時計の分子機構を基盤にした新規時間治療の開発(大戸茂弘)

1 はじめに

2 医薬品適正使用と時間薬理学

 2.1 生体リズムと疾患

 2.2 生体リズムと薬効

 2.3 生体リズムと薬物動態

 2.4 生体リズムとTDM(therapeutic drug monitoring)

3 創薬と時間薬理学

 3.1 生体リズム調整薬

 3.2 生体リズムとDDS(drug delivery system)

4 生体リズムの制御機構

5 分子時計を基盤にした新規時間治療法

 5.1 薬物活性リズムの分子機構

 5.2 リズム障害・調整・操作

 5.3 Chrono-DDS

6 おわりに

第5章 早産児・新生児の体内時計と新生児室における光環境の設計(渡邊真平,太田英伸)

1 赤ちゃんの体内時計の発達過程

2 新しい光受容体「メラノプシン」の発見と赤ちゃんの視覚・睡眠の発達

3 赤ちゃんはいつから光を感じるか?

 3.1 節細胞は妊娠

30週前後から働きはじめる

 3.2 桿体・錐体細胞は生後働きはじめる?

 3.3 ノックアウト・マウスにおける光受容体の発達研究

4 光環境は早産児の睡眠発達にどのように影響するのか?

5 おわりに -赤ちゃんの「光生体回路」を制御して-

第6章 睡眠覚醒リズム障害の体内時計機構と時間治療(三島和夫)

1 はじめに

2 概日リズム睡眠障害とは

3 各病型の臨床特徴と病態生理仮説

 3.1 睡眠相前進型

 3.2 睡眠相後退型

 3.3 フリーラン型(非同調型)

 3.4 不規則型睡眠覚醒

 3.5 時差型

 3.6 交替勤務型

4 診断に有用な検査法

 4.1 睡眠表

 4.2 アクチグラフ

 4.3 終夜睡眠ポリグラフ検査

 4.4 生物時計の位相検査

 4.5 位相反応曲線

5 概日リズム障害の治療法

 5.1 同調因子の強化が基本である

 5.2 高照度光療法(光照射療法)

 5.3 メラトニン療法

 5.4 ビタミンB

   12療法

 5.5 ベンゾジアゼピン系睡眠薬

6 おわりに

第7章 高血圧の体内時計機構と時間治療(藤村昭夫)

1 はじめに

2 高血圧の体内時計機構

 2.1 血圧上昇と時計遺伝子

 2.2 急性心筋梗塞と時計遺伝子

3 高血圧の時間治療

 3.1 血圧日内リズムと虚血性心疾患

 3.2 高血圧の時間治療

4 おわりに

第8章 がんの体内時計機構と時間治療(藤 秀人)

1 はじめに

2 副作用軽減を主眼とした時間治療の基礎と臨床

3 抗がん剤の時間治療 -守備から攻撃へ-

4 おわりに

第9章 関節リウマチの体内時計機構と時間治療(藤 秀人)

1 関節リウマチと薬物療法

2 関節リウマチの関節炎の概日リズム

3 関節リウマチ患者を対象とした時間薬物療法

4 おわりに

第10章 肥満と体内時計(大石勝隆)

1 はじめに

2 睡眠と肥満

3 摂食のタイミングと肥満

4 体内時計によるエネルギー代謝の制御

5 エネルギー代謝の変化による体内時計への影響

6 肥満と血栓症

7 おわりに

【第3編 食品】

第11章 食品の体内時計に対する効果(平尾彰子,柴田重信)

1 食餌と同調

2 FAAおよびFEPOの乖離

3 FAA内での時計遺伝子の役割

4 FAAとFEPOに関するグルコースと体内時計

5 FEPOに関する栄養分効果の代替

6 消化管ホルモン

7 朝食効果の実験

8 食品科学の視点

第12章 体内時計が栄養・食物摂取に及ぼす効果(柴田重信)

1 時間栄養学と体内時計作用栄養学

2 時間栄養学のメカニズム

 2.1 エネルギー摂取の体内時計による支配

 2.2 消化・吸収と体内時計

 2.3 脂肪代謝と体内時計の相互作用

 2.4 体重増加・肥満と体内時計

 2.5 体内時計の異常と肥満・糖尿病

3 おわりに

第13章 朝型・夜型嗜好性(Chronotype)と食事摂取の関連(佐藤(三戸)夏子)

1 はじめに

2 人における時計型(Chronotype)の判定

 2.1 朝型・夜型嗜好性質問票

 2.2 Munich ChronoType Questionnaire (MCTQ)

 2.3 客観的指標によるChronotypeの妥当性の評価

3 時計型(Chronotype)と食事摂取

 3.1 Chronotypeと食事

 3.2 Chronotypeと食品・栄養素摂取量

 3.3 Chronotypeとアルコール摂取

4 おわりに

【第4編 香粧品】

第14章 概日リズム正常化による皮膚の改善と保護 In Vivo 試験(岩田宏之)

1 緒言

2 結果

第15章 嗅球の体内時計と嗅覚刺激の作用(浜田俊幸,本間さと,本間研一)

1 体内時計機構と主振動体

2 嗅球での時計遺伝子発現

3 嗅球の体内時計に対する作用

4 In vivo条件下において嗅球はSCN 非依存的な振動体を持つ

5 In vivo発光イメージングによる嗅球の体内時計に対する作用の研究

6 嗅球刺激による体内リズムおよび行動リズム制御

【第5編 農業】

第16章 農業生産と体内時計の切っても切れない深い関係(井澤 毅)

1 はじめに

2 光周性反応と生物時計

3 限界日長と電照菊栽培

4 フロリゲン発現の限界日長認識とその分子機構

5 Ghd

7ゲート効果因子とイネ栽培域の北進現象

6 おわりに

第17章 体内時計制御の植物工場への応用(福田弘和)

1 はじめに

2 植物工場

 2.1 植物工場とは

 2.2 植物工場の技術課題 ~コストパフォーマンス向上技術と付加価値創出技術の開発~

 2.3 分子診断型植物工場

 2.4 体内時計最適化植物工場

3 システムとしてみた植物の体内時計

 3.1 多振動子系としての植物の体内時計

 3.2 体内時計の分子機構

4 体内時計制御工学の基礎

 4.1 基本概念

 4.2 最適リズム設計理論

 4.3 リズム制御理論

5 体内時計制御の実例

 5.1 レタスの体内時計

 5.2 昼夜サイクル型制御(短周期の明暗サイクルを用いた主観的夜の短縮法)

 5.3 連続照明型制御(暗期パルス制御法)

6 さいごに

第18章 体内時計研究の家畜生産への応用(吉村 崇)

1 季節繁殖とは

2 哺乳類における季節繁殖の人為的制御

3 ナイトミルク

4 家禽の産卵

5 家禽の放卵周期の制御機構

6 家禽の放卵周期の産業応用

7 家禽生産にみられる季節性

8 光線管理法の実際

 8.1 開放鶏舎における光線管理法

 8.2 ウインドウレス鶏舎の光線管理法

9 強制換羽

第19章 体内時計制御の水産業への応用(飯郷雅之)

1 はじめに

2 魚類の示すリズム

3 野生の魚類の行動の時間生物学

4 自発摂餌活動のリズム

5 季節繁殖の脳内分子機構とその制御

6 おわりに

【第6編 照明】

第20章 体内時計や睡眠への光の作用と照明応用(野口公喜)

1 はじめに

2 光によるメラトニン分泌抑制作用

3 体内時計機構への作用波長感度特性

4 照明の光色とメラトニン分泌抑制

5 体内時計機構への作用量予測方法の規格化/標準化動向

 5.1 ドイツ暫定規格(DIN pre-standard)

 5.2 米国Lighting Research Center(LRC)の提案

 5.3 各種光源の作用量予測

6 今後の課題

7 さいごに

第21章 体内時計のリズムに配慮した空間設計と省エネルギー(樋口祥明,石川敦雄)

1 はじめに

2 高照度の自己選択に関する実験

3 環境共生時代の空間デザインに向けて

【第7編 運動】

第22章 体内時計とスポーツ(中村亜紀,加藤秀夫)

1 はじめに

2 1日のスポーツに適した時間帯

3 1週間のスポーツに適するタイミング

4 スポーツと内分泌系・代謝リズム

5 筋肉グリコーゲンの代謝リズム

6 粒食と粉食のスポーツ栄養学的相違

7 スポーツと減量

8 スポーツと1日三食の食事

 8.1 スポーツと朝食

 8.2 スポーツと昼食

 8.3 スポーツと夕食

第23章 体内時計と運動パフォーマンス(内田 直)

1 背景

2 これまでの研究

3 スポーツコンディショニングへの応用の可能性

4 時差症候群の克服

5 今後の課題

【第8編 公衆衛生】

第24章 生物時計と不登校・小児慢性疲労症候群(三池輝久)

1 はじめに

2 睡眠不足と脳

3 学童・生徒の睡眠欠乏

4 不登校状態

5 不登校とCCFS

6 不登校・CCFSと生物時計

7 不登校・CCFSへの対応

第25章 幼児・児童・生徒・学生の生活習慣リズム(原田哲夫,竹内日登美)

1 はじめに

2 子ども達は夜型化しているのか?

3 夜型化と肥満

4 生活習慣リズムに影響を及ぼす因子

 4.1 光環境と朝食

 4.2 就床指導と保護者の生活リズム

 4.3 塾通い

 4.4 24時間型関連因子

5 おわりに

第26章 交代制勤務による発癌リスク(久保達彦)

1 はじめに

2 IARCモノグラフ

3 疫学エビデンス

4 実験研究エビデンス

5 今後の展開

6 まとめ

【第9編 計測】

第27章 睡眠脳波計測と睡眠評価システムの構築(柏木香保里,裏出良博)

1 はじめに―体内時計と睡眠覚醒リズム―

2 脳波による人間の睡眠測定

3 実験動物での睡眠評価システムと産業応用

4 人間用の簡易型脳波計の開発

5 睡眠のソーシャル・モニタリング・システムの構築と産業応用

第28章 時刻表法と血漿中代謝産物を用いた体内時刻測定(南 陽一,粕川雄也)

1 オミックス型研究とは

2 体内時計とリズム障害,時間治療

3 体内時刻を知る

4 時刻表法の実際

 4.1 データの正規化

 4.2 振動物質の抽出

 4.3 体内時刻の測定

5 血漿中代謝産物を利用した体内時刻診断

 5.1 メタボローム解析

 5.2 血中の概日振動物質の選択

 5.3 体内時刻診断

 5.4 ヒトへの応用

6 細胞を利用したリズム異常の検出法

第29章 体毛を用いたヒト概日時計の評価法(明石 真)

1 はじめに

2 試行錯誤

3 毛包細胞の時計は個体の生活習慣を反映

4 応用例:昼夜交代勤務の被験者

5 被験者の負担を減らす

6 問題点および今後の改良方針

7 おわりに
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