・再生医療・創薬の新しい扉を開くオルガノイド研究、その最新
研究動向を俯瞰する!
・細胞から臓器へ、再生医療に革命もたらすオルガノイド研究を
体系的に詳解!
・オルガノイド研究を基礎から臨床応用までを体系的に解説する
技術書の決定版!
第1編 三次元オルガノイドに関連する基盤技術
第1章 細胞培養技術
第1節 多能性幹細胞を用いた内胚葉細胞の培養技術
(白木 伸明,粂 昭苑)
1.はじめに
2.PSCsから内胚葉系細胞への分化誘導の基本原理
3.内胚葉分化に寄与する液性因子
4.内胚葉分化に必要な細胞外マトリックス
5.栄養因子による内胚葉分化制御
6.PSCs から内胚葉系細胞への分化誘導の最新の研究動向
7.おわりに 10
第2節 ES/iPS細胞誘導ヒト臓器間充織細胞の培養技術
(岸本 圭史,森本 充)
1.はじめに
2.臓器間充織の初期発生
3.多様な臓器の間充織細胞を誘導する手法の確立
4.間充織細胞分化誘導技術の比較
5.間充織細胞分化誘導技術の制限
6.間充織細胞分化誘導技術の応用
第2章 三次元スフェロイド培養技術
第1節 泌尿器がん三次元スフェロイドの培養技術とその応用
(鎌田 修平,井上 聡)
1.はじめに
2.オルガノイド培養法とスフェロイド培養法の比較
3.PDC/PDCXモデル
4.スフェロイド培養の実際
5.泌尿器がんスフェロイドを用いたがん分子病態の解析例
6.泌尿器がん患者由来細胞・異種移植モデルの今後の展望
7.おわりに
第2節 難治がん検体由来完全型シングルセルオルガノイドの培養技術
(星野 大輔,齋藤 菜緒)
1.はじめに
2.腫瘍内不均一性を保持した難治がんオルガノイドの樹立
第3章 オルガノイド作製ツール
第1節 細胞外環境ダイナミクスの制御技術
(王 哲,永樂 元次)
1.背 景
2.細胞外環境ダイナミクスにおける重要な要素
3.化学因子とその時間・空間制御
4.機械的要因-空間と時間におけるダイナミクス
5.課題と展望
第2節 オルガノイドの3D構造形成機構を1細胞レベルから予測する多細胞シミュレーション
(奥田 覚)
1.はじめに
2.オルガノイドにおける多細胞動態の階層性
3.オルガノイドにおける多細胞動態の数理モデル化
4.オルガノイドにおける多細胞動態の物理シミュレーション
5.おわりに
第3節 乳がん三次元培養を用いたがん微小環境の構築
(竹内 康人,後藤 典子)
1.はじめに
2.乳がんの発症と乳がん微小環境におけるがん関連線維芽細胞(CAF)
3.患者由来乳がん細胞とCAFの混合オルガノイド
4.混合オルガノイド培養の将来展望
第4節 オルガノイドのライブイメージング
(星 大輔,清川 悦子)
1.はじめに
2.オルガノイドの名称
3.培養細胞のオルガノイドの歴史
4.顕微鏡とその問題点・ツール,培養方法など
5.イメージングの実例
6.オルガノイドの操作
7.スクリーニングと解析ソフト
8.おわりに
第5節 オルガノイドの体軸方向付与技術の開発
(萩原 将也)
1.はじめに
2.CUBEプラットフォームによるオルガノイドモジュール化
3.因子濃度勾配制御
4.ECM空間制御
5.組織間相互作用
6.おわりに
第4章 多能性幹細胞由来オルガノイドの作製
第1節 体内時計中枢オルガノイドの作製
(田宮 寛之)
1.体内時計のメカニズムとその臨床的重要性
2.体内時計中枢 視交叉上核(SCN)
3.時計中枢オルガノイドの作製
4.SCNオルガノイドの創薬研究への応用
5.おわりに
第2節 新たな子宮内膜オルガノイドの確立とヒト胚着床現象のin vitroでの再現
(柴田 峻,小林 枝里,有馬 隆博)
1.序 章
2.結 果
3.考 察
4.結 語
第3節 ヒトiPS細胞由来心臓オルガノイドの開発とその応用
(谷 英典,遠山 周吾)
1.はじめに
2.ヒトiPS心筋細胞と3D心臓組織の開発
3.心臓オルガノイドの開発
4.まとめ
第4節 肺オルガノイド研究の潮流と再生医療への応用
(田所 友美)
1.はじめに
2.肺組織の構造
3.成体組織幹細胞を用いた肺オルガノイド
4.胎生期肺前駆体細胞由来肺オルガノイド
5.多能性幹細胞由来肺オルガノイド
6.肺幹細胞を支えるニッチ
7.肺オルガノイドを用いた病態モデル
8.肺オルガノイドの移植医療への応用
9.将来展望
第5節 ヒトiPS細胞由来涙腺オルガノイドの作製
(林 竜平)
1.はじめに
2.ヒト多能性幹細胞からの二次元眼様オルガノイド誘導
3.眼表面上皮細胞からの涙腺オルガノイドの誘導
4.移植による涙腺オルガノイドの成熟化
5.おわりに
第6節 領域別神経オルガノイドの作成
(坂口 秀哉)
1.はじめに
2.無血清凝集浮遊培養法の基礎
3.領域化オルガノイドの作成
4.神経オルガノイドを用いた機能的神経ネットワークの創出
5.おわりに
第7節 多能性幹細胞由来大脳皮質オルガノイドの誘導とその応用
(荻原 龍馬,永樂 元次)
1.はじめに
2.大脳皮質の発生・構造・他種との違い
3.多能性幹細胞由来大脳皮質オルガノイドの誘導と生体類似性
4.拡張型大脳皮質オルガノイド
5.大脳皮質オルガノイドの応用
6.まとめ
第8節 多能性幹細胞由来腎オルガノイドの作製
(入江 亮輔,西中村 隆一)
1.はじめに
2.腎臓の構造と発生機構
3.腎臓オルガノイド研究
4.おわりに
第5章 組織幹細胞由来オルガノイドの作製
第1節 味蕾オルガノイドの作製
(岩槻 健,米谷 達哉)
1.味細胞とこれまでの研究
2.味蕾幹細胞の探索
3.味蕾オルガノイドの作製と検証
4.味蕾オルガノイドを用いた研究
5.味覚研究の課題
6.おわりに
第2節 乳がん患者由来オルガノイドの作成
(佐伯 澄人,丸山 玲緒)
1.はじめに
2.検体回収
3.検体処理と播種
4.培地交換と継代
5.まとめ
第3節 患者由来の膵・胆道がんオルガノイドの作製
(椎原 正尋,古川 徹)
1.膵胆道がんの現状
2.膵・胆道がんオルガノイド
3.まとめ
第4節 犬肺がん組織/正常肺組織由来肺オルガノイドの作製
(塩田 よもぎ,臼井 達哉)
1.犬における原発性肺がん
2.肺がん罹患犬のがん組織および正常肺組織からのオルガノイド培養
3.肺がん罹患犬組織由来の肺オルガノイドの展望
第2編 オルガノイドを用いた基礎研究
第1章 生体メカニズムの解明
第1節 腸上皮オルガノイドを用いた非神経性アセチルコリンによる幹細胞制御メカニズムの解明
(高橋 俊雄,高瀬 悠太)
1.はじめに
2.腸上皮組織におけるACh産生・放出および分布
3.代謝型mAChR-M3を介した非神経性AChの腸幹細胞制御
4.チャネル型nAChR-α2β4を介した非神経性AChの腸幹細胞制御
5.おわりに
第2節 三次元培養技術を用いた骨細胞分化メカニズムの解明
(キム ジョンヒョン,安達 泰治,松本 健郎)
1.はじめに
2.骨芽細胞由来三次元培養モデル
3.間葉系幹細胞由来三次元培養モデル
4.軟骨細胞由来三次元培養モデル
5.力学環境変化による骨細胞マーカ変化
6.三次元培養モデルを用いた骨・軟骨のバイオメカニクス研究
7.おわりに
第3節 腸管オルガノイドを用いた宿主-腸内細菌の相互作用検証システムの開発
(柳澤 宏太,今井 淳稀,佐々木 伸雄)
1.はじめに
2.腸内細菌と宿主との関係について
3.腸内細菌依存的な疾患例-代謝疾患・肥満
4.腸内細菌の種特異性問題を解決する切り札-オルガノイド
5.オルガノイドを用いた腸内細菌研究
6.おわりに
第2章 分析・解析手法の開発
第1節 ヒト腸管オルガノイドを用いた三大栄養素の吸収機能解析手法の開発
(井上 允)
1.はじめに
2.腸管オルガノイドの分化誘導
3.腸管オルガノイドによる栄養吸収評価手法の開発
4.機能性食品成分評価への応用
5.おわりに
第2節 ヒト脳オルガノイドの電気活動計測と化合物応答
(鈴木 郁郎)
1.はじめに
2.脳オルガノイドのMEA計測と化合物応答
3.脳オルガノイドのCMOS-MEA計測と化合物応答
4.おわりに
第3節 時計遺伝子レポーターES/iPS細胞を用いた体内時計・睡眠覚醒リズム研究
(田宮 寛之)
1.発光レポーターを用いた体内時計・睡眠覚醒リズムの観察
2.時計遺伝子の経時的定量モニタリング,イメージングにおける発光レポーター系のメリット
3.ES/iPS細胞を用いた体内時計研究
4.ES/iPS細胞を用いた細胞時計形成の応用-極端な朝型疾患のモデル化
5.腸管オルガノイドの体内時計レポーター発光測定
6.時計中枢オルガノイドの発光測定
7.おわりに
第3章 オルガノイドデバイスの開発
第1節 マイクロ培養チップを用いた運動神経オルガノイドや神経オルガノイド回路の作製
(池内 与志穂)
1.はじめに
2.運動神経オルガノイド
3.神経オルガノイドの接続
4.まとめ
第2節 腎オルガノイド由来細胞を用いた近位尿細管モデルチップの開発
(横川 隆司)
1.はじめに
2.近位尿細管モデルチップの背景
3.腎オルガノイド由来細胞のみでは上皮組織形成が不完全である
4.腎オルガノイド由来細胞と不死化細胞の共培養とその相乗効果
5.近位尿細管モデルの機能評価
6.おわりに
第4章 疾患モデルの開発
第1節 ヒト大腸上皮オルガノイドを用いた体外潰瘍性大腸炎モデルの作製
(土屋 輝一郎,鈴木 宏清)
1.はじめに
2.オルガノイドへの炎症刺激
3.炎症刺激オルガノイドのUC モデル検証
4.ヒト大腸上皮オルガノイドを用いた体外潰瘍性大腸炎モデルからの新規治療法開発
5.おわりに
第2節 ヒトiPS細胞由来肝臓オルガノイドを用いた革新的ヒトNASH 病態モデル開発の展望
(上野 康晴,谷口 英樹)
1.NAFLD/NASHの疫学
2.NAFLD/NASHの発症・進展機構
3.NASHに対する治療薬開発の現状
4.NASHに対するin vivoモデルの開発
5.NASHに対するin vitroモデルの開発
6.オルガノイド技術を活用した肝臓再構成の試み
7.ヒトiPSC肝臓オルガノイド技術の高度化
8.おわりに
第3節 骨格筋オルガノイドを活用した簡便な筋萎縮モデルの開発
(杉本 岳史,橋本 健志,藤里 俊哉,中村 友浩)
1.はじめに
2.これまでの骨格筋萎縮の研究
3.筋萎縮研究の発展を加速させる骨格筋オルガノイド
4.おわりに-骨格筋オルガノイドが今後の骨格筋研究を加速させる
第4節 ヒト三次元培養口腔がんモデルの開発
(井川 和代,泉 健次,佐藤 香枝)
1.はじめに
2.二層構造を有するヒト三次元培養口腔がんモデルの開発
3.三層構造を有するヒト三次元培養口腔がんモデルの開発
4.展 望
第5節 ヒトiPS細胞を活用した膵がんオルガノイドモデルの開発
(谷水 直樹,竹内 健太)
1.背 景
2.TMEを再現した膵がんオルガノイドの開発
3.FPCOを用いた膵がん組織の再現
4.オルガノイドを用いた膵がん悪性形質の再現
5.おわりに
第6節 オルガノイド研究の新展開-呼吸器オルガノイドの創薬応用
(池尾 聡,山本 佑樹)
1.呼吸器領域における創薬応用の現状と問題点
2.呼吸器オルガノイド培養の発展
3.呼吸器オルガノイドを用いた疾患モデリングと創薬応用
4.まとめ
第3編 オルガノイドの臨床応用
第1章 感染症分野
第1節 オルガノイド技術を用いた新型コロナウイルス感染症研究
(橋本 里菜,高山 和雄)
1.はじめに
2.各臓器のオルガノイドを用いたCOVID-19研究
3.オルガノイドを用いたCOVID-19応用研究
4.おわりに
第2節 ヒト腸管オルガノイドを用いたヒトノロウイルスの研究
(芳賀 慧,片山 和彦)
1.はじめに-ヒトノロウイルスについて
2.腸管オルガノイドを用いたノロウイルスの培養法
3.組織血液型抗原(HBGA)とヒトノロウイルス感受性
4.腸管オルガノイドを用いたノロウイルスの消毒,薬剤評価系
5.これからの課題
第3節 オルガノイドを活用した敗血症治療法の開発
(聶 運中,李 楊,岡本 理志,谷口 英樹)
1.はじめに
2.ヒトiPSCから造血前駆細胞への誘導法確立
3.ヒトKuLOsの構築
4.機能的ヒトKuLOを用いた敗血症性肝機能障害の再現
5.敗血症性肝臓オルガノイドの自己回復能力
6.敗血症性肝臓オルガノイドを用いた候補薬剤評価系の構築
7.おわりに
第2章 再生医療分野
第1節 ヒトiPS細胞を用いた代謝性肝疾患に対する新規治療法の開発
(谷口 英樹)
1.はじめに
2.オルガノイドとは?
3.臨床投与用ヒトiPS細胞オルガノイドの製造工程
4.臨床投与用ヒトiPS細胞オルガノイドの非臨床安全性評価
5.臨床投与用ヒトiPS細胞オルガノイドの治療効果
6.今後の展望
第2節 自家腸上皮オルガノイドを用いた炎症性腸疾患に対する粘膜再生治療法の開発
(岡本 隆一,水谷 知裕,藤井 悟,清水 寛路)
1.はじめに
2.炎症性腸疾患の成立要因と病態
3.炎症性腸疾患の治療における粘膜治癒とT2T
4.炎症性腸疾患の治療における再生医療の意義
5.移植に向けた「自家腸上皮オルガノイド」の製造法・品質管理法・送達法の開発
6.臨床研究実施に向けた非臨床PoCの取得と臨床研究計画の策定
7.FIH試験の開始と今後の展望
第3章 その他臨床応用
第1節 患者がん由来オルガノイドによる個別化医療への展開
(井上 正宏)
1.はじめに
2.分子標的,個別化医療の時代
3.がんオルガノイド感受性試験
4.オルガノイド個別感受性試験の課題
第2節 ヒトiPS細胞由来内耳オルガノイドを用いた薬剤性難聴の治療法開発
(栗原 渉)
1.はじめに
2.研究成果
3.おわりに
第3節 FCMDおよび類縁疾患モデルによる病態評価と低分子治療法の開発
(池田(谷口) 真理子)
1.はじめに
2.FCMDの病態であるαジストログリカンの糖鎖異常症と責任遺伝子FKTNの機能
3.FCMDのスプライシング異常に対するアンチセンス核酸治療と課題
4.低分子化合物を用いた治療法開発研究と大脳オルガノイドモデル作成
5.大脳オルガノイドモデル作成の課題
第4節 iPS細胞の自己組織化による複合型機能性ヒト腸管グラフト製造法の開発
(水谷 知裕)
1.はじめに
2.正常腸管における腸上皮恒常性の維持機構
3.腸上皮幹細胞オルガノイドの樹立と再生医療の可能性
4.オルガノイドによる自家腸幹細胞移植再生医療
5.腸上皮オルガノイドを用いた消化管組織再生のアプローチ
6.iPS細胞由来ヒト腸オルガノイドについて
7.ヒト腸オルガノイドの培養技術の発展
8.複数の細胞種を融合するアセンブロイドというアプローチ
9.管腔形状を持つ腸管オルガノイドへの期待
10.消化管再生医療への展望
第5節 iPS細胞オルガノイドと臓器骨格の融合による再生部分肝臓の作製
(八木 洋,北川 雄光)
1.はじめに
2.背 景
3.HiBRID法を用いた再生肝臓開発
4.大動物を用いたスケールアップと今後の展望
5.おわりに
第6節 iPS細胞オルガノイドを活用したヒト臓器の創出に向けた技術開発
(田所 友美)
1.はじめに
2.オルガノイド研究について
3.オルガノイド技術の高度化による組織再構成系の発展
4.ヒト大型臓器の創出に向けて